背景情報【1】/CDCガイドライン(CRBSI) | 血管アクセス用デバイス

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用語とリスクの推定値

 各種カテーテルの識別に使われる用語は紛らわしい。多くの臨床医や研究者が内々の参考用としてカテーテルの様々な側面を使用するからである。カテーテルは様々な側面によって命名される。すなわち、留置される血管の種類(例:末梢静脈、中心静脈、動脈)、使用期間(例:一時的または短期的 vs 恒久的または長期的)、挿入部位(例:鎖骨下、大腿、内頸、末梢、末梢挿入型中心静脈カテーテル[PICC])、皮膚から血管への経路(例:トンネル型 vs 非トンネル型)、長さ(例:ロング vs ショート)、カテーテルの特性(例:カフの有無、ヘパリン、抗菌薬または抗菌物質の含浸、ルーメン数)によって決められているのである。特定タイプのカテーテルを正確に定義するには、こうした側面のすべてについて記述する必要がある(表1)。
 同様に、血管内留置カテーテル由来感染症を表すのに使われる用語も混乱を招くおそれがある。カテーテル由来血流感染症(CRBSI)と中心ライン関連血流感染症(CLABSI)は意味が異なるにもかかわらず区別されずに使用される場合が多い。
 CRBSIは、患者の診断・治療時に使用する臨床上の定義であり、BSIの原因としてカテーテルをより綿密に特定する一定の臨床検査を要するものであり、サーベイランス目的に使用されることはあまりない。多くの場合、患者の臨床上の必要性(カテーテルは必ずしも抜去されるとは限らない)、使用できる微生物検査法の制約(多くの検査室は定量的血液培養法やDTP[陽性化までの時間差]法を使用していない)、直接ケア要員による手続の遵守(ラベリングが正確でなければならない)といった要因があるため、BSIがCRBSIであるかどうかを正確に確定することが問題になる。サーベイランス目的ではもっと単純な定義がよく使われる。例えば、CLABSIはCDCの全米医療安全ネットワーク(NHSN)が使用する用語である(NHSN CLABSI情報を参照)[206]。CLABSIは、BSI発症前の48時間以内に中心ラインを留置された患者での原発性BSIであり、別部位の感染症に由来する血流感染症でない。しかし、BSIには中心ライン以外の他の原因(例:膵炎、粘膜炎)に続発し、しかも容易に識別できない場合もあることから、CLABSIのサーベイランス用の定義はCRBSIの真の発生率を過大評価することもある。

表1. 静脈および動脈へのアクセスに用いるカテーテル

カテーテルの種類 挿入部位 長さ 備考
末梢静脈カテーテル 通常、前腕または手の静脈に挿入。 3インチ(7.62センチ)未満 長期使用による静脈炎。
血流感染に関連するケースはまれ。
末梢動脈カテーテル 通常、橈骨動脈に挿入。大腿、腋窩、上腕、後脛骨の動脈でも留置可能。 3インチ(7.62センチ)未満 感染リスクは低い。
血流感染に関連するケースはまれ。
ミッドラインカテーテル 前肘窩を通して近位尺側皮または橈側皮の静脈に挿入。中心静脈には到達しないこと。末梢カテーテル。 3~8インチ
(7.62~20.32センチ)
アナフィラキシー様反応がエラストメリックヒドロゲル製カテーテルで報告されている。ショート型の末梢静脈カテーテルよりも静脈炎率が低い。
非トンネル型
中心静脈カテーテル
(CVC)
中心静脈(鎖骨下、内頸部、大腿部)に経皮的に挿入。 8センチ以上
(患者の体格に依存)
大部分のCRBSIの原因。
肺動脈カテーテル テフロン®製イントロデューサーを通して中心静脈(鎖骨下、内頸部、大腿部)に挿入。 30センチ以上
(患者の体格に依存)
通常、ヘパリンコーティング。CVCと同じ血流感染率。
感染リスク低減のため鎖骨下部位が望ましい。
末梢挿入型
中心静脈カテーテル(PICC)
尺側皮、橈側皮、上腕の静脈に挿入し、上大静脈に留置。 20センチ以上
(患者の体格に依存)
非トンネル型CVCより感染率は低い。
トンネル型
中心静脈カテーテル
(CVC)
鎖骨下、内頸部、大腿部の静脈に埋め込み。 8センチ以上
(患者の体格に依存)
カフがカテーテル経路への微生物の移動を阻止する。
非トンネル型CVCより感染率は低い。
完全埋め込み型
カテーテル
(CVポート) 
皮下トンネルを通し、針を使って皮下ポートにアクセスする。鎖骨下または内頸部の静脈に埋め込む。 8センチ以上
(患者の体格に依存)
CRBSIのリスクが最低。
患者のセルフイメージが改善される。
局所的なカテーテル部位のケアが不要。
カテーテル抜去には手術が必要。
臍帯カテーテル 臍帯静脈、臍帯動脈のいずれかに挿入。 6センチ以下
(患者の体格に依存)

臍帯静脈、臍帯動脈いずれに留置されたカテーテルも CRBSIのリスクは同じ。

 

テフロンは米国デュポン社または関連会社の登録商標です。

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『血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン 2011』

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