鼠径部ヘルニアの分類 | 鼠径ヘルニア・腹壁ヘルニア

2009年版 鼠径部ヘルニアの分類 (日本ヘルニア学会)

目的

術後成績の客観的な比較や術式選択の基本となり得る。

原則

1.成人の鼠径部ヘルニアの分類とする。

2.術中所見によるヘルニア門の位置と大きさによる分類。複雑でなく、一般外科医が使える。

3.鼠径部切開法と腹腔鏡下手術のいずれにも適用。

4.その他の詳細な事項は別に追加して記載。

 

分類 説明
Ⅰ. 間接(外)鼠径ヘルニア ヘルニア門は内鼠径輪である。ヘルニア門の径の判定は、横筋筋膜レベルで行い、鼠径部切開法では最大径とし、腹腔鏡下手術では上下径とする。
Ⅰ-1.(軽度) <1cm(1横指*)未満
Ⅰ-2.(中等度) ≧1cm<3cm(1横指以上2横指**未満)
Ⅰ-3.(高度) ≧3cm(2横指**)以上
Ⅱ. 直接(内)鼠径ヘルニア 鼠径管後壁とは、内側は腹直筋(鞘)下端の外縁、外側は下腹壁動静脈とする。ヘルニア門の径の判定は最大径とする。
Ⅱ-1.(限局内側型) ヘルニア門の径が3cm(2横指**)未満で、鼠径管後壁を2分した場合、ヘルニア門の中心は内側にある。
Ⅱ-2.(限局外側型) ヘルニア門の径が3cm(2横指**)未満で、鼠径管後壁を2分した場合、ヘルニア門の中心は外側にある。
Ⅱ-3.(びまん型) ヘルニア門の径が3cm(2横指**)以上である。***
Ⅲ. 大腿ヘルニア  
Ⅳ. 併存型 間接(外)鼠径ヘルニア、直接(内)鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアあるいは特殊型が併存している。(各型を記載する)
Ⅴ. 特殊型 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、以外の型
再発ヘルニア 初発ヘルニアの分類に従う。はじめにRecと記載

   
記載事項

1.直接(内)鼠径ヘルニアのⅡ-1、Ⅱ-2ではヘルニア門の径を記載する。

2.ヘルニア嚢が鼠径管内か、鼠径管外か、陰嚢まで達しているかを記載する。

3.再発ヘルニアでは可能なかぎり前回術式を記載する。

4.TAPPにおける分類は、腹膜剥離後の状態で判定する。ただし、腹膜剥離前において、ヘルニアが正中臍襞と内側臍襞の間にある例は、膀胱上ヘルニアと追加記載する。

*:原則として第5指を用いる。

**:原則として第2指と第3指を用いる。

***:ヘルニア門の径が3cm以下でも、ヘルニア門が後壁全体の例も含める。

鼠径部ヘルニア分類 (日本ヘルニア学会)

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