血管内留置カテーテル由来感染の予防のための CDCガイドライン 2011
浜松医療センター 矢野邦夫先生 監訳
1. 監訳の言葉
2011年4月、CDCは「血管内カテーテル由来感染の予防のためのガイドライン」を公開した。1996年に「血管内器具由来感染の予防のためのガイドライン」が公開されたとき、日本の医療施設は大きな衝撃をうけた。この頃より、中心静脈カテーテルの挿入時のマキシマル・バリアプリコーションが一般的に行われるようになり、閉鎖式システムが導入されるようになった。そして、輸液回路やカテーテルの交換頻度などについても新しい感染対策が実施されるようになった。血管内カテーテルの分野の進化はすさまじく、CDCは2002年にガイドラインを改訂し、更に2011年4月に再改訂したのである。
今回のガイドラインでは、マキシマル・バリアプリコーションの使用範囲が拡大され、中心静脈カテーテルの挿入またはガイドワイヤでの交換のみならず、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)でも実施することが推奨された。また、輸液回路の交換頻度の延長化が明確になり、マンパワーとコストの削減が期待できそうである。その一方でいくつかの勧告が削除されており、「感染制御の目的でフィルターをルチーンに用いてはならない。カテゴリー IA」がその一つである。CDCの勧告が削除された場合、「削除されたことから判るように、CDCはフィルターが必要であるといっている」と180度の方向転換した対応をとることは不適切である。CDCは黙って勧告の方向を180度替えることはない。削除されても、ガイドラインの方向性は同じであると認識すべきと思われる。
血管内カテーテルは日常的に用いている医療器材である。そして、それを適切に取り扱わなければ、カテーテル由来血流感染を引き起こすことになる。それ故、このガイドラインの臨床現場への影響は大きい。今回のガイドラインは背景情報も判りやすく記載しているので、感染対策チームは勧告部分のみを利用するのではなく、その背景を十分に理解して、ガイドラインを実践していただきたい。
最後に、CDCガイドラインを迅速に翻訳されて日本の医療に貢献している株式会社メディコンに心から感謝の意を表すものである。
平成23 年6 月吉日
浜松医療センター 矢野 邦夫
2. 本ガイドラインを読む上での注意事項
2009年、米国疾病対策センター(CDC)と医療感染対策実施諮問委員会(HICPAC)はガイドライン作成・実施における最新の進歩をそのガイドライン策定プロセスに組み込んだ(http://www.cdc.gov/hicpac/guidelineMethod/guidelineMethod.html )。新たな方法でCDCとHICPACは、そのガイドラインの妥当性と有用性の向上を図るとともに、感染予防・管理領域のガイドライン策定における新たな課題にも対応している。しかし、『血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのガイドライン』は策定方法の改定前に導入されているため、2009年以前のガイドラインに採用されていた策定方法を反映している。今後の改訂は最新の策定方法で行われる。
本ガイドラインは、血管内留置カテーテルの挿入を行う医療従事者、そして、病院・外来・在宅医療環境における感染症のサーベイランスや管理を行う者を対象として策定されている。作成は、救命医療内科、感染症、医療感染管理、外科、麻酔科、インターベンショナルラジオロジー、呼吸器内科、小児内科、看護の各専門団体の代表者で構成される作業グループにより行われた。作業グループは集中治療医学会(SCCM)が主導し、米国感染症学会(IDSA)、米国医療疫学学会(SHEA)、外科感染症学会(SIS)、米国胸部医師会(ACCP)、米国胸部学会(ATS)、米国集中治療麻酔専門医学会(ASCCA)、感染管理・疫学専門家協会(APIC)、輸液看護協会(INS)、腫瘍看護協会(ONS)、米国静脈経腸栄養学会(ASPEN)、インターベンショナルラジオロジー学会(SIR)、米国小児学会(AAP)、小児感染症学会(PIDS)、米国疾病対策センター(CDC)の医療感染対策実施諮問委員会(HICPAC)が協力した。本ガイドラインは2002年公表の『血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのガイドライン』と差し替えることを目的とし、血管内留置カテーテル由来感染の予防に関するエビデンスに基づく勧告を示すことを意図するものである。
重点分野として、
1)カテーテルの挿入・維持管理を行う医療従事者の教育・訓練、
2)中心静脈カテーテル挿入時のマキシマル・バリアプリコーションの使用、
3)皮膚消毒のための>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤の使用、
4)感染予防策としての中心静脈カテーテルのルーチン交換の回避、
5)上記項目(教育・訓練、マキシマル・バリアプリコーション、
皮膚消毒のための>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤の使用)の徹底にもかかわらず感染率が低下しない場合の抗菌物質/抗菌薬含浸の短期中心静脈カテーテルおよびクロルヘキシジン含浸のスポンジドレッシングの使用について取り上げている。さらに、"バンドル戦略"(諸対策の一体的な実施)による業務改善や、医療の質の保証と業務改善のベンチマークとしてのバンドルの全構成要素の遵守率の記録・報告にも重点を置いている。
CDCとHICPACが発行した従前のガイドラインのように、各勧告は、既存の科学データ、理論的根拠、適用性、経済的影響に基づいて分類している。本ガイドラインでの勧告分類法は以下の通りである。
カテゴリーIA
実施を強く勧告。
十分に設計された実験研究、臨床研究または疫学研究で強く裏付けられている。
カテゴリーIB
実施を強く勧告。
一部の実験研究、臨床研究または疫学研究と、強い理論的根拠で裏付けられている。あるいは限定的なエビデンスにより裏付けられている、一般的に容認されている行為(例:無菌操作)。
カテゴリーIC
州または連邦の法規または基準によって要求されている。
カテゴリーII
実施を提案。臨床研究もしくは疫学研究または理論的根拠で示唆されている。
未解決問題
有効性に関する十分なエビデンスやコンセンサスが存在しない未解決問題を示す。
3. ガイドラインに用いられている略語
【略語一覧】 *学会名を除く
- ABHR (Alcohol-based hand rub):擦式アルコール製剤
- CABSI(Catheter-associated Bloodstream Infections):カテーテル関連血流感染症
- CDC (Centers for Disease Control and Prevention):米国疾病対策センター
- CDSR(The Cochrane Database of Systematic Review):コクランデータベース・システマティックレビュー
- CLABSI(Central Line-Associated Bloodstream Infection):中心ライン関連血流感染症
- ClfAとClfB(Clumping factor A と Clumping factor B):タンパク質付着因子と結合する凝集因子
- CRBSI(Catheter-Related Blood Stream Infection):カテーテル由来血流感染症
- CVC(Central Venous Catheter):中心静脈カテーテル
- DTP(differential time to positivity):陽性化までの時間差(法)
- EBP(evidence-based practice):エビデンスに基づく実践
- EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid):エチレンジアミン四酢酸
- EPS(Extracellular Polymeric Substance):(微生物が産生する)細胞外高分子物質
- H (Heparin): ヘパリン
- HICPAC (Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee):医療感染管理業務諮問委員会
- IV(Intravenous):静脈内
- MRSA(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus):メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
- NHSN(National Healthcare Safety Network):全米医療安全性ネットワーク
- PICC(Peripherally Inserted Central Catheter):末梢挿入型中心静脈カテーテル
- SCOPE(Surveillance and Control of Pathogens of Epidemiologic Importance):疫学的重要病原体のサーベイランスおよび管理
- VCH (Vancomycin Ciprofloxacin Heparin):バンコマイシン/シプロフロキサシン/ヘパリン
- VH (Vancomycin Heparin):バンコマイシン/ヘパリン
4. はじめに
米国では毎年、集中治療部(ICU)における中心血管カテーテル(central vascular catheter)日(任意期間における任意患者集団の中心血管カテーテル留置延べ日数)は1500万日に達している[1]。研究では様々な形でカテーテル由来血流感染症(CRBSI:catheter-related bloodstream infection)が扱われている。この血流感染症は単独で病院経費の増加と入院期間の長期化を招くが[2-5]、単独で死亡率を上昇させることは総じて示されていない。CRBSIは毎年ICUで8万例発生しているものの[1]、病院全体を評価した場合、合計で年間25万例のBSIが発生していると推計されている[6]。複数の分析によって、この感染症の代償は罹患率・費用の両面において相当なものであることが示されており、患者アウトカムを改善して医療費を削減するために、医療従事者、保険業者、規制機関、患者擁護者が相当な関心をもって発症率の低下に取り組んでいる。取り組みは分野横断的であることが求められ、中心血管カテーテルの挿入・抜去を指示する医療従事者、その挿入管理を実施する医療従事者、感染管理従事者、医療管理者(経営者から財務担当者まで)、そして、カテーテルのケアに協力できる患者を巻き込む必要がある。
効果的な予防プログラムの目的は全患者ケア分野からのCRBSIの根絶である。その達成は難しいが、確かに成功を収めているプログラムはある。とはいえ、根絶を持続的なものとするには継続的な努力が求められる。本ガイドラインで論じる措置では、個別の患者集団、人間環境下における微生物の一般的な存在、現行の対策と技術の限界を想定して、感染率を実現可能な限り引き下げることを目的としている。
5. 勧告の概要
教育・訓練・要員
1.血管内留置カテーテル使用の適応、血管内留置カテーテルの挿入・維持管理の適正手順、血管内留置カテーテル由来感染を予防するための適切な感染対策に関して医療従事者を教育する[7-15]。 カテゴリーIA
2.血管内留置カテーテルの挿入・維持管理に携わる者全員について、ガイドラインの熟知度と励行状況を定期的に評価する[7-15]。 カテゴリーIA
3.末梢・中心血管内留置カテーテルの挿入・維持管理に求められる能力を持った、訓練された者だけを指名する[14-28]。 カテゴリーIA
4.ICUにおいて適切な看護人員の水準を確保する。ちなみに、観察研究では、「プールナース※1」の割合が高い、あるいは患者に対する看護師の割合が高いことが、看護師がCVC留置患者を管理ているICUにおけるCRBSIと関係していることが示唆されている[29-31]。 カテゴリーIB
カテーテルと部位の選択
末梢カテーテル・ミッドラインカテーテル
1.成人患者では、カテーテル挿入には上肢を使用する。カテーテルが下肢に挿入されている場合は、できるだけ早く上肢に挿入し直す。 カテゴリーII
2.小児患者では、上肢もしくは下肢または頭皮(新生児または乳児の場合)をカテーテル挿入部位として使用できる[32, 33]。 カテゴリーII
3.使用の目的と期間、既知の感染性・非感染性合併症(例:静脈炎や血管外漏出)、カテーテル挿入施行者の経験を踏まえてカテーテルを選択する[33-35]。 カテゴリーIB
4.血管外漏出が起これば組織壊死を招くおそれがあるため、輸液剤や薬剤の投与に金属針の使用を避ける[33, 34]。 カテゴリーIA
5.輸液期間が6日を超えると見込まれるとき、ショートタイプの末梢静脈カテーテルではなく、ミッドラインカテーテルまたは末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheter)を使用する。 カテゴリーII
6.圧痛を確認するためドレッシングを介して触診で日常的にカテーテル挿入部位を評価し、また透明ドレッシング使用の場合は視診でも評価する。ガーゼと不透明ドレッシングは、患者に臨床徴候が見られない場合は外す必要はない。局所圧痛またはその他CRBSIが見込まれる徴候が患者にある場合は、不透明ドレッシングを外して部位を視診する。 カテゴリーII
7.患者に静脈炎の徴候(熱感、圧痛、発赤、触知可能な静脈索)あるいは感染症の徴候があるか、カテーテルの機能不全が見られる場合、末梢静脈カテーテルを抜去する[36]。 カテゴリーIB
中心静脈カテーテル(CVC:Central Venous Catheter)
1.感染性合併症を減らすために推奨部位に中心静脈デバイスを留置することのリスクとメリットを、機械的合併症(例:気胸、鎖骨下動脈穿刺、鎖骨下静脈裂傷、鎖骨下静脈狭窄症、血胸、血栓症、 空気塞栓症、カテーテル誤留置)のリスクと比較して考慮する[37-53]。 カテゴリーIA
2.成人患者では中心静脈アクセスに大腿静脈の使用を避ける[38, 50, 51, 54]。 カテゴリーIA
3.非トンネル型CVC留置に伴う感染リスクを最小限に抑えるため、成人患者では、頸部や大腿ではなく、鎖骨下部位を使用する[50-52]。 カテゴリーIB
4.トンネル型CVCの感染リスクを最小限に抑えるための優先挿入部位に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
5.鎖骨下静脈狭窄症を避けるため、血液透析患者と進行腎疾患患者では鎖骨下部位を避ける[53,55-58]。 カテゴリーIA
6.慢性腎不全患者では透析用常設アクセスにCVCではなくAVシャントまたはグラフトを使用する[59]。 カテゴリーIA
7.カテーテル挿入の施行回数と機械的合併症を減らすため、中心静脈カテーテルの留置に超音波ガイダンスを使用する(利用できる場合)。超音波ガイダンスはその使用に熟練した者のみが使用するものとする[60-64]。 カテゴリーIB
8.患者の管理に必要最小限のポート数またはルーメン数を有するCVCを使用する[65-68]。カテゴリーIB
9.非経口栄養における専用ルーメンの使用に関する勧告は行うことができない。 未解決問題
10.不要になった血管内留置カテーテルは速やかに抜去する[69-72]。 カテゴリーIA
11.無菌操作の徹底が確保できないとき(医療上の緊急時におけるカテーテルの挿入)、カテーテルをできる限り速やかに(48時間以内)交換する[37, 73–76]。 カテゴリーIB
※1病院勤務の看護師で、特定の部署を担当せず、人手が求められるさまざまな部署で働く。
手指衛生と無菌操作
1.普通の石鹸と水で手を洗うか擦式アルコール製剤(ABHR:alcohol-based hand rub)を用いて手指衛生を行う。手指衛生は、血管内留置カテーテルの挿入、交換、アクセス、修復、ドレッシングの前後だけでなく、カテーテル挿入部位の触診の前後にも行わなければならない。無菌操作が守られない限り、消毒薬の塗布後に挿入部位の触診は行ってはならない[12, 77-79]。 カテゴリーIB
2.血管内留置カテーテルの挿入とケアの際には無菌操作を守る[37, 73, 74, 76]。 カテゴリーIB
3.皮膚消毒薬の塗布後にアクセス部位に触れない場合、末梢血管内留置カテーテルの挿入には滅菌手袋ではなく清潔手袋を着用する。 カテゴリーIC
4.動脈、中心、ミッドラインの各カテーテル挿入の際には滅菌手袋を着用しなければならない[37, 73, 74, 76]。 カテゴリーIA
5.ガイドワイヤー交換を行うとき、新しいカテーテルを取り扱う前に新しい滅菌手袋を使用する。カテゴリーII
6.血管内留置カテーテルのドレッシングを交換するとき、清潔手袋か滅菌手袋のいずれかを着用する。 カテゴリーIC
マキシマル・バリアプリコーション
1.CVC、PICCの挿入またはガイドワイヤー交換の際に、マキシマル・バリアプリコーション(キャップ、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋、全身用の滅菌ドレープの使用を含む)を用いる[14, 75, 76, 80]。 カテゴリーIB
2.挿入中に肺動脈カテーテルを保護するため滅菌スリーブを使用する[81]。 カテゴリーIB
皮膚の前処置
1.末梢静脈カテーテル挿入前に消毒薬(70%アルコール、ヨードチンキまたはグルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤)で皮膚を前処置する[82]。 カテゴリーIB
2.中心静脈カテーテルおよび末梢動脈カテーテル挿入前とドレッシング交換時に>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤で皮膚を前処置する。クロルヘキシジンに対する禁忌がある場合、ヨードチンキ、ヨードフォア、70%アルコールのいずれかを代替消毒薬として使用することができる[82, 83]。 カテゴリーIA
3.皮膚消毒でのクロルヘキシジンアルコール製剤とポビドンヨードアルコール製剤の使用比較は行われていない。 未解決問題
4.生後2カ月未満の乳児でのクロルヘキシジンの安全性と有効性に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
5.消毒薬はカテーテル留置前に製造元の推奨に従って乾燥させる[82, 83]。 カテゴリーIB
カテーテル部位のドレッシング法
1.カテーテル部位を覆うために、滅菌ガーゼか滅菌透明ドレッシングのいずれかを使用する[84–87]。 カテゴリーIA
2.患者が発汗症である場合または部位が出血または滲出している場合、これが解決されるまで、ガーゼドレッシングを使用する[84–87]。 カテゴリーII
3.カテーテル部位のドレッシングは、湿ったり緩んだり明白に汚れたりした場合、交換する[84,85]。 カテゴリーI
4.抗菌薬配合の軟膏やクリームは、真菌症と抗菌薬耐性を助長する可能性があるため、透析カテーテルの場合を除いて挿入部位に局所使用しない[88, 89]。 カテゴリーIB
5.カテーテルやカテーテル部位を水に浸さない。カテーテルへの微生物侵入の確率を減らす対策(例:カテーテルと接続器具をシャワーの間、不浸透性カバーで保護する)を講じることができる場合、シャワーを浴びることは差し支えない[90–92]。 カテゴリーIB
6.短期CVC部位で使われるドレッシングは、ガーゼドレッシングの場合、2日ごとに交換する。カテゴリーII
7.短期CVC部位で使われるドレッシングは、透明ドレッシングの場合は、少なくとも7日ごとに交換する。ただし、カテーテルのズレを起こすリスクがドレッシング交換のメリットを上回るおそれのある小児患者については、この限りではない[87, 93]。 カテゴリーIB
8.トンネル型または埋め込み型CVC部位で使われる透明ドレッシングは、挿入部位が治癒するまで、少なくとも週1回交換する(ドレッシングが汚れたり緩んだりしていない場合)。 カテゴリーII
9.十分に固定された長期カフ付きトンネル型CVC穿刺部位でのドレッシングの必要性に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
10.カテーテル部位のケアがカテーテル材料に適合することを確認する[94, 95]。 カテゴリーIB
11.全ての肺動脈カテーテルに滅菌スリーブを使用する[81]。 カテゴリーIB
12.クロルヘキシジン含浸スポンジドレッシングは、基本的な予防策(教育・訓練、皮膚消毒のためのクロルヘキシジンの使用、マキシマル・バリアプリコーションを含む)の徹底にもかかわらず中心ライン関連血流感染症(CLABSI:central line-associated bloodstream infection)の割合が低下しない場合において、生後2カ月を超える患者での一時的短期カテーテルに使用する[93, 96–98]。 カテゴリーIB
13.他の種類のクロルヘキシジンドレッシングに関する勧告はなされていない。 未解決問題
14.患者の臨床状況に応じて、カテーテル部位をドレッシング交換時には視診で、また損なわれていないドレッシングを介して定期的に触診でモニターする。挿入部位の圧痛、原因不明の発熱、その他局所感染または血流感染を示す症状が患者にある場合、ドレッシングを外して部位の綿密な検査を行う[99−101]。 カテゴリーIB
15.カテーテル部位の変化または新たな違和感があれば、施行者に伝えるよう患者に勧める。カテゴリーII
患者の清拭
CRBSIを減らすために2%クロルヘキシジンで毎日皮膚清拭を行う[102–104]。 カテゴリーII
カテーテル固定器具
血管内留置カテーテルに伴う感染リスクを減らすために無縫合固定器具※を使用する[105]。カテゴリーII
抗菌薬/抗菌物質含浸カテーテルとカフ
クロルヘキシジン/スルファジアジン銀またはミノサイクリン/リファンピン含浸CVCは、包括的なCLABSI率低減対策の導入後もCLABSI率が低下していない場合において、カテーテル留置が5日を超えると見込まれる患者に使用する。なお、包括的な対策には、カテーテルの挿入・維持管理 を行う者の教育、マキシマル・バリアプリコーションの採用、CVC挿入中の>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤での皮膚消毒、以上3つの措置が少なくとも盛り込まれていなければならない[106–113]。 カテゴリーIA
全身への抗菌薬の予防投与
血管内留置カテーテルのコロニー形成またはCRBSIを予防するために、カテーテルの挿入前や使用中に全身への抗菌薬の予防投与をルーチンに行わない[114]。 カテゴリーIB
抗菌薬/抗菌物質配合の軟膏
ポビドンヨード配合の軟膏またはバシトラシン/ネオマイシン/ポリミキシンB軟膏は、製造元の推奨による血液透析カテーテルの材質との相互作用がない場合に限り、カテーテル挿入後と各透析終了後にカテーテル穿刺部位に使用する[59, 115-119]。 カテゴリーIB
抗菌薬ロック法、抗菌薬カテーテルフラッシュ、カテーテルロック法
予防抗菌薬ロック液は、無菌操作が最適最大限に徹底されているにもかかわらず複数回CRBSIの既往歴を持つ長期カテーテル留置患者で使用する[120-138]。 カテゴリーII
抗凝固剤
一般患者集団でカテーテル由来感染リスクを減らすために抗凝固療法をルーチンに使用しない[139]。 カテゴリーII
末梢・ミッドラインカテーテルの交換
1.成人患者では、末梢カテーテルは、感染と静脈炎のリスクを減らすために、72~96時間毎を超える頻度で交換する必要はない[36, 140, 141]。 カテゴリーIB
2.臨床上必要なときに限った成人患者での末梢カテーテルの交換に関して勧告はなされていない[142-144]。 未解決問題
3.小児患者では、末梢カテーテルは、臨床的に必要なときに限り交換する[32, 33]。カテゴリーIB
4.ミッドラインカテーテルは、特定の徴候があるときに限り交換する。 カテゴリーII
CVC(PICCと血液透析カテーテルを含む)の交換
1.CVC、PICC、血液透析カテーテル、肺動脈カテーテルは、カテーテル由来感染を予防するた めにルーチンに交換しない。 カテゴリーIB
2.CVCやPICCは発熱だけで抜去しない。感染が他で明らかになっている場合や、発熱の非感染性原因が疑われる場合、カテーテル抜去の妥当性に関して臨床判断を用いる。 カテゴリーII
3.ガイドワイヤー交換は、感染を予防するために非トンネル型カテーテルに関してルーチンに行わない。 カテゴリーIB
4.ガイドワイヤー交換は、感染が疑われる非トンネル型カテーテルを交換するために行わない。カテゴリーIB
5.ガイドワイヤー交換は、感染のエビデンスが存在しない場合において、機能不全の非トンネル型カテーテルを交換するのに行う。 カテゴリーIB
6.ガイドワイヤー交換を行うとき、新しいカテーテルを取り扱う前に、新しい滅菌手袋を使用する。 カテゴリーII
臍帯カテーテル
1.臍帯動脈カテーテルは、CRBSI、下肢の血行不全、血栓症いずれかの徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。 カテゴリーII
2.臍帯静脈カテーテルは、CRBSIまたは血栓症の徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。 カテゴリーII
3.臍帯カテーテルを通しての抗菌治療の施行によるカテーテルの維持を図ることに関して、勧告を行うことはできない。 未解決問題
4.カテーテル挿入前に消毒薬で挿入部位を清拭する。新生児甲状腺に作用する可能性があるため、ヨードチンキは避ける。他のヨード含有製剤(例:ポビドンヨード)は使用できる[146-150]。 カテゴリーIB
5.局所適用する抗菌薬配合の軟膏やクリームは、真菌症と抗菌薬耐性を助長する可能性があるため、臍帯カテーテル挿入部位に使用しない[88, 89]。 カテゴリーIA
6.臍帯動脈カテーテルを通じて注入される輸液剤に低用量ヘパリン(0.25~1.0U/ml)を加える[151-153]。 カテゴリーIB
7.臍帯カテーテルは、不要になったときや下肢への血行不全の徴候が観察されるときに、できるだけ速やかに抜去する。臍帯動脈カテーテルの場合、留置は5日以内とするのが最も望ましい[145, 154]。 カテゴリーII
8.臍帯静脈カテーテルは、不要になったときはできるだけ速やかに抜去しなければならないが、無菌管理されている場合は14日まで使用することができる[155, 156]。 カテゴリーII
9.臍帯カテーテルは、機能不全になっていてその他にカテーテル抜去の適応がなく、留置の総期間が臍帯動脈カテーテルの場合で5日、臍帯静脈カテーテルの場合で14日を超えていない場合、交換することができる。 カテゴリーII
成人・小児患者の末梢動脈カテーテルと血圧モニタリング器具
1.成人患者では、感染リスクを減らすため挿入部位として大腿や腋窩よりも橈側、上腕、足背いずれかの部位を使用するのが望ましい[46, 47, 157, 158]。 カテゴリーIB
2.小児患者では、上腕部位は使用してはならない。橈骨、足背、後脛骨部位が挿入部位として大腿や腋窩よりも望ましい[46]。 カテゴリーII
3.末梢動脈カテーテル挿入中、少なくともキャップ、マスク、滅菌手袋、小さな無菌穴あきドレープを使用しなければならない[47, 158, 159]。 カテゴリーIB
4.腋窩または大腿動脈カテーテル挿入中は、マキシマル・バリアプリコーションを採用しなければならない。 カテゴリーII
5.動脈カテーテルは、臨床上必要があるときに限り交換する。 カテゴリーII
6.動脈カテーテルは、不要になったときにできるだけ速やかに抜去する。 カテゴリーII
7.可能な場合は、再使用可能タイプではなく使い捨てタイプのトランスデューサアセンブリを使用する[160-164]。 カテゴリーIB
8.動脈カテーテルは、カテーテル由来感染を予防するためにルーチンに交換しない[165, 166, 167, 168]。 カテゴリーII
9.トランスデューサは、使い捨てタイプも再使用可能タイプも、96時間で交換する。トランスデューサ交換時には、システムの他の構成品(連結管、持続フラッシュ器具、フラッシュ溶液を含む)も交換する[37, 161]。 カテゴリーIB
10.血圧モニタリングシステム(較正器具、フラッシュ溶液を含む)の構成品はすべて無菌に維持する[160, 169-171]。 カテゴリーIA
11.血圧モニタリングシステムの操作回数とシステムへの進入を最小限に抑える。血圧モニタリングカテーテルの開通性を維持するために、開放式(シリンジと三方活栓を必要とするもの)ではなく、閉鎖式フラッシュシステム(持続フラッシュ)を使用する[163, 172]。 カテゴリーII
12.三方活栓ではなくダイヤフラムを通して血圧モニタリングシステムにアクセスするとき、アクセス前にダイヤフラムを適切な消毒薬でスクラブする[163]。 カテゴリーIA
13.血圧モニタリング回路を通してブドウ糖含有溶液や中心静脈栄養輸液(TPN)を投与しない[163, 173, 174]。 カテゴリーIA
14.使い捨てタイプのトランスデューサが使用できない場合、再使用可能タイプのトランスデューサを製造元の説明書に従って滅菌する[163, 173-176]。 カテゴリーIA
点滴セットの交換
1.血液、血液製剤、脂肪乳剤の投与を受けていない患者では、継続使用されている点滴セット(2次セット、追加器具を含む)は、96時間間隔を超えない頻度で交換しなければならないが[177]、少なくとも7日ごとには交換する必要がある[178-181]。 カテゴリーIA
2.断続使用の点滴セットを交換する頻度に関して勧告することができない。 未解決問題
3.皮下埋め込み型ポートにアクセスするための針の交換頻度に関して勧告することができない。未解決問題
4.血液、血液製剤または脂肪乳剤(アミノ酸やブドウ糖と組み合わせた三種混合注入、または単独注入するもの)を投与するのに用いられる点滴ラインは、点滴開始から24時間以内に交換する[182-185]。 カテゴリーIB
5.バイアルを交換するとき、プロポフォール注入液の投与に使用する点滴ラインは、製造元の推奨どおりに、6時間または12時間ごとに交換する(FDAウェブサイト「Medwatch」)[186]。カテゴリーIA
6.皮下埋め込み型ポートにアクセスするために使用される針を留置する期間に関して勧告することはできない。 未解決問題
ニードルレス血管内留置カテーテルシステム
1.ニードルレス構成品は、少なくとも点滴セットと同程度の頻度で交換する。72時間間隔を超える頻度での交換にはメリットがない[39, 187-193]。 カテゴリーII
2.ニードルレスコネクタは、感染率低減の目的で、72時間毎よりも頻回にならないようにまたは製造元の推奨に従って交換する[187, 189, 192, 193]。 カテゴリーII
3.システムの全構成品が漏れと破断を最小限に抑えるために互換性があることを確認する[194]。 カテゴリーII
4.アクセスポートを適切な消毒薬(クロルヘキシジン、ポビドンヨード、ヨードフォアまたは70%アルコール)で拭いて、滅菌デバイスだけをポートにアクセスすることにより、汚染リスクを最小限に抑える[189,192,194-196]。 カテゴリーIA
5.ニードルレスシステムは静注管にアクセスするために使用する。 カテゴリーIC
6.ニードルレスシステムを使用するとき、一部のメカニカルバルブでは感染リスクが増加するため、スプリットセプタムがメカニカルバルブよりも望ましい場合がある[197-200]。カテゴリーII
業務改善
エビデンスに基づく勧告指針の遵守を向上させるため、多方面にわたる戦略を“バンドル”にした病院独自または協同ベースの業務改善計画を採用する[15, 69, 70, 201-205]。 カテゴリーIB
6. 背景情報
用語とリスクの推定値
各種カテーテルの識別に使われる用語は紛らわしい。多くの臨床医や研究者が内々の参考用としてカテーテルの様々な側面を使用するからである。カテーテルは様々な側面によって命名される。すなわち、留置される血管の種類(例:末梢静脈、中心静脈、動脈)、使用期間(例:一時的または短期的 vs 恒久的または長期的)、挿入部位(例:鎖骨下、大腿、内頸、末梢、末梢挿入型中心静脈カテーテル[PICC])、皮膚から血管への経路(例:トンネル型 vs 非トンネル型)、長さ(例:ロング vs ショート)、カテーテルの特性(例:カフの有無、ヘパリン、抗菌薬または抗菌物質の含浸、ルーメン数)によって決められているのである。特定タイプのカテーテルを正確に定義するには、こうした側面のすべてについて記述する必要がある(表1)。
同様に、血管内留置カテーテル由来感染症を表すのに使われる用語も混乱を招くおそれがある。カテーテル由来血流感染症(CRBSI)と中心ライン関連血流感染症(CLABSI)は意味が異なるにもかかわらず区別されずに使用される場合が多い。
CRBSIは、患者の診断・治療時に使用する臨床上の定義であり、BSIの原因としてカテーテルをより綿密に特定する一定の臨床検査を要するものであり、サーベイランス目的に使用されることはあまりない。多くの場合、患者の臨床上の必要性(カテーテルは必ずしも抜去されるとは限らない)、使用できる微生物検査法の制約(多くの検査室は定量的血液培養法やDTP[陽性化までの時間差]法を使用していない)、直接ケア要員による手続の遵守(ラベリングが正確でなければならない)といった要因があるため、BSIがCRBSIであるかどうかを正確に確定することが問題になる。サーベイランス目的ではもっと単純な定義がよく使われる。例えば、CLABSIはCDCの全米医療安全ネットワーク(NHSN)が使用する用語である(NHSN CLABSI情報を参照)[206]。CLABSIは、BSI発症前の48時間以内に中心ラインを留置された患者での原発性BSIであり、別部位の感染症に由来する血流感染症でない。しかし、BSIには中心ライン以外の他の原因(例:膵炎、粘膜炎)に続発し、しかも容易に識別できない場合もあることから、CLABSIのサーベイランス用の定義はCRBSIの真の発生率を過大評価することもある。
表1. 静脈および動脈へのアクセスに用いるカテーテル
カテーテルの種類 | 挿入部位 | 長さ | 備考 |
---|---|---|---|
末梢静脈カテーテル | 通常、前腕または手の静脈に挿入。 | 3インチ(7.62センチ)未満 | 長期使用による静脈炎。 血流感染に関連するケースはまれ。 |
末梢動脈カテーテル | 通常、橈骨動脈に挿入。大腿、腋窩、上腕、後脛骨の動脈でも留置可能。 | 3インチ(7.62センチ)未満 | 感染リスクは低い。 血流感染に関連するケースはまれ。 |
ミッドラインカテーテル | 前肘窩を通して近位尺側皮または橈側皮の静脈に挿入。中心静脈には到達しないこと。末梢カテーテル。 | 3~8インチ (7.62~20.32センチ) |
アナフィラキシー様反応がエラストメリックヒドロゲル製カテーテルで報告されている。ショート型の末梢静脈カテーテルよりも静脈炎率が低い。 |
非トンネル型 中心静脈カテーテル (CVC) |
中心静脈(鎖骨下、内頸部、大腿部)に経皮的に挿入。 | 8センチ以上 (患者の体格に依存) |
大部分のCRBSIの原因。 |
肺動脈カテーテル | テフロン®製イントロデューサーを通して中心静脈(鎖骨下、内頸部、大腿部)に挿入。 | 30センチ以上 (患者の体格に依存) |
通常、ヘパリンコーティング。CVCと同じ血流感染率。 感染リスク低減のため鎖骨下部位が望ましい。 |
末梢挿入型 中心静脈カテーテル(PICC) |
尺側皮、橈側皮、上腕の静脈に挿入し、上大静脈に留置。 | 20センチ以上 (患者の体格に依存) |
非トンネル型CVCより感染率は低い。 |
トンネル型 中心静脈カテーテル (CVC) |
鎖骨下、内頸部、大腿部の静脈に埋め込み。 | 8センチ以上 (患者の体格に依存) |
カフがカテーテル経路への微生物の移動を阻止する。 非トンネル型CVCより感染率は低い。 |
完全埋め込み型 カテーテル (CVポート) |
皮下トンネルを通し、針を使って皮下ポートにアクセスする。鎖骨下または内頸部の静脈に埋め込む。 | 8センチ以上 (患者の体格に依存) |
CRBSIのリスクが最低。 患者のセルフイメージが改善される。 局所的なカテーテル部位のケアが不要。 カテーテル抜去には手術が必要。 |
臍帯カテーテル | 臍帯静脈、臍帯動脈のいずれかに挿入。 | 6センチ以下 (患者の体格に依存) |
臍帯静脈、臍帯動脈いずれに留置されたカテーテルも CRBSIのリスクは同じ。 |
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成人・小児患者における疫学と細菌学
CLABSI率の全米推定値は、CDCのNHSN(医療関連感染症のサーベイランスシステム)を通して入手できる。またCDCのウェブサイトでも入手可能である。最新報告では、ICUや非ICU(例:患者ケア域、病棟)1カ所以上で感染症を監視する1,545病院(米国48州およびコロンビア特別区)からのデータに重点を置いている[207]。BSI率は、疾患の重症度と疾患の種類などの患者由来因子(例:第3度熱傷 vs 心臓手術後)、カテーテル由来因子(例:カテーテルの留置状態、カテーテルの種類)、そして、施設因子(例:床数、大学提携関係)の影響を受けることから、こうしたリスクを調整した総BSI率を基準とすることで、病院が施設内比較や施設間比較を行うことができる。
最もよく報告されている病原体は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、腸球菌、カンジダ属であることに変わりない[208]。グラム陰性桿菌は、CDC[209]と疫学的重要病原体サーベイランス・管理(SCOPE)のデータベースに報告されたCLABSI病原体の19%と21%をそれぞれ占めていた[208]。
CLABSIを引き起こす一般病原体すべてに関して、抗菌薬耐性はとりわけICUにおいて問題である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が現在ICUで採取される全黄色ブドウ球菌分離株の50%超を占めるが、MRSA CLABSIの発生率は近年減少しており、これは予防策が奏功していると考えられる[210]。グラム陰性桿菌に関して、肺炎杆菌と大腸菌での第3世代セファロスポリンに対する抗菌薬耐性は著しく増加し、緑膿菌でのイミペネム耐性とセフタジジム耐性も同様に増加している[209]。カンジダ属はフルコナゾール耐性があることでますます注目されている。
病因
カテーテルの汚染には次の4ルートが確認されている。
1)挿入部位の皮膚微生物が皮下のカテーテル経路に侵入したり、カテーテルの表面に沿って入り込んだりして、カテーテル先端でコロニーを形成する。これは短期カテーテルでは最も一般的な感染経路である[37, 211, 212]。
2)手指や、汚染された輸液剤または器具の接触によるカテーテルまたはカテーテルハブの直接的な汚染[213,214]。
3)あまり一般的ではないが、別の感染病巣からカテーテルに血行性の播種が起こることもある[215]。そして、
4)まれに、輸液汚染がCRBSIを招くこともある[216]。
CRBSIを決定づける重要な病原因子としては、
1)器具の材料、
2)カテーテル周辺でフィブリンシースを形成する、フィブリンやフィブロネクチンなどタンパク質の付着からなる宿主因子[217]、そして、
3)付着性微生物が産生する細胞外高分子物質(EPS)を含む感染微生物固有の病原性因子である[218]。カテーテル材料には、表面にむらがあり、特定の菌種(例:表皮ブドウ球菌、カンジダアルビカンス)の微生物付着を高めるものもある[219, 220]。これらの材料を使ったカテーテルは、微生物のコロニー形成とその後の感染を特に受けやすい。例えば、フィブリンシースの形成により、シラスティックカテーテルはポリウレタンカテーテルよりもカテーテル感染症のリスクが高い[217]。一方、カンジダアルビカンスによるバイオフィルム形成は、シリコンエラストマーカテーテルの表面のほうがポリウレタンカテーテルの表面よりも起こりやすい[219]。医用生体材料の表面特性の改良で、カンジダアルビカンスのバイオフィルム形成能力が影響を受けることが示されている[220]。さらに、血栓形成が起こりやすいカテーテル材料があり、カテーテルコロニー形成とカテーテル由来感染の素因を与える可能性がある[221, 222]。このような関連があることから、CRBSIを減らすための補足的な仕組みとして、カテーテル由来血栓の予防が重視されるようになっている[223, 224]。
宿主因子との関係における特定微生物の付着特性もCRBSIの病因において重要である。例えば、黄色ブドウ球菌は、タンパク質付着因子と結合するクランピング因子(ClfAとClfB)を発現することにより、カテーテルで一般に存在する宿主タンパク質(例:フィブリノゲン、フィブロネクチン)に付着できる[217, 222, 225, 226]。さらに、付着は、微生物(例:コアグラーゼ陰性ブドウ球菌[227,228]、黄色ブドウ球菌[229]、緑膿菌[230]、カンジダ属[231])による細胞外高分子物質(EPS)の産生を通して強化される。ESPの大部分は、微生物バイオフィルム層を形成する菌体外多糖からなる[218, 232]。このバイオフィルムマトリックスは、二価金属正イオン(例:カルシウム、マグネシウム、鉄)によって増強され、これにより微生物が自らを包埋する強固な包有物となる[233.235]。このようなバイオフィルムは、微生物に宿主防御機序に対する抵抗性を与えたり(例:多核白血球による抱き込みや殺傷に対する障壁として働く)、抗菌薬に対する感受性を低下させたりする(例:抗菌薬が微生物細胞壁と接触する前に抗菌薬を結びつけるマトリックスを形成するか、代謝的に静止状態で抗菌薬耐性のある存続細胞集団をもたらす)[228, 236, 237]ことで、様々な微生物の病原性を強化する。カンジダ属にはグルコース含有輸液剤が存在すると他の細菌のものと類似した粘液を産生するものがあるが、これは、中心静脈栄養輸液を受けている患者での真菌病原体に起因するBSIの割合が増加している理由になる可能性がある[238]。
成人・小児患者におけるカテーテル由来感染予防策
教育・訓練・要員
勧告
1.血管内留置カテーテル使用の適応、血管内留置カテーテルの挿入・維持管理の適正手順、血管内留置カテーテル由来感染を予防するための適切な感染対策に関して医療従事者を教育する[7-15]。 カテゴリーIA
2.血管内留置カテーテルの挿入・維持管理に携わる者全員について、ガイドラインの熟知度と励行状況を定期的に評価する[7-15]。 カテゴリーIA
3.末梢・中心血管内留置カテーテルの挿入・維持管理に求められる能力を持った、訓練された者だけを指名する[14-28]。 カテゴリーIA
4.ICUにおいて適切な看護人員の水準を確保する。ちなみに、観察研究では、「プールナース」の割合が高い、あるいは看護師-患者比が高いことが、看護師がCVC留置患者を管理しているICUにおけるCRBSIと関係していることが示唆されている[29-31]。 カテゴリーIB
背景
医療従事者を教育してケアの提供・監視・評価を行えるように入念に構成された教育プログラムは、この取り組みの成否を左右する重要な要素である。過去40年間の報告を見ると、無菌ケアの標準化の後は感染リスクの低減や[7, 12, 14, 15, 239-241]、未熟なスタッフによる血管内留置カテーテルの挿入・維持管理ではカテーテルでのコロニー形成とCRBSIのリスクが高まるおそれがあること[15,242]が一貫して示されている。また専門の「IVチーム」はCRBSI、関連合併症、経費の発生を減らす上で明白な効果を発揮している[16-26]。さらに、看護職員数の削減が限界水準を下回った場合には感染リスクの増加を伴う[30]。
カテーテルと部位の選択
末梢カテーテル・ミッドラインカテーテルに関する勧告
1.成人患者では、カテーテル挿入には上肢を使用する。カテーテルが下肢に挿入されている場合は、できるだけ早く上肢に挿入し直す。 カテゴリーII
2.小児患者では、上肢もしくは下肢または頭皮(新生児または乳児の場合)をカテーテル挿入部位として使用できる[32, 33]。 カテゴリーII
3.使用の目的と期間、既知の感染性・非感染性合併症(例:静脈炎や血管外漏出)、カテーテル挿入施行者の経験を踏まえてカテーテルを選択する[33-35]。 カテゴリーIB
4.血管外遊出が起これば組織壊死を招くおそれがあるため、輸液剤や薬剤の投与に金属針の使用を避ける[33, 34]。 カテゴリーIA
5.静注療法期間が6日を超えると見込まれるとき、ショートタイプの末梢静脈カテーテルではなく、ミッドラインカテーテルまたは末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を使用する。 カテゴリーII
6.圧痛を確認するためドレッシングを介して触診で日常的にカテーテル挿入部位を評価し、また透明ドレッシング使用の場合は視診でも評価する。ガーゼと不透明ドレッシングは、患者に臨床徴候が見られない場合は外す必要はない。局所圧痛またはその他CRBSIが見込まれる徴候が患者にある場合は、不透明ドレッシングを外して部位を視診する。 カテゴリーII
7.患者に静脈炎の徴候(熱感、圧痛、発赤、触知可能な静脈索)あるいは感染症の徴候があるか、カテーテルの機能不全が見られる場合、末梢静脈カテーテルを抜去する[36]。 カテゴリーIB
中心静脈カテーテルに関する勧告
1.感染性合併症を減らすために推奨部位に中心静脈器具を留置することのリスクとメリットを、機械的合併症(例:気胸、鎖骨下動脈穿刺、鎖骨下静脈裂傷、鎖骨下静脈狭窄症、血胸、血栓症、空気塞栓症、カテーテル誤留置)のリスクと比較して考慮する[37-53]。 カテゴリーIA
2.成人患者では中心静脈アクセスに大腿静脈の使用を避ける[38, 50, 51, 54]。 カテゴリーIA
3.非トンネル型CVC留置に伴う感染リスクを最小限に抑えるため、成人患者では、頸部や大腿部位ではなく、鎖骨下部位を使用する[50-52]。 カテゴリーIB
4.トンネル型CVCの感染リスクを最小限に抑えるための優先挿入部位に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
5.鎖骨下静脈狭窄症を避けるため、血液透析患者および進行腎疾患患者では鎖骨下部位を避ける[53, 55-58]。 カテゴリーIA
6.慢性腎不全患者では透析用常設アクセスにCVCではなくAVシャントまたはグラフトを使用する[59]。 カテゴリーIA
7.カニューレ挿入の試行回数と機械的合併症を減らすため、中心静脈カテーテルの留置に超音波ガイダンスを使用する(利用できる場合)。超音波ガイダンスはその使用に熟練した者のみが使用するものとする[60-64]。 カテゴリーIB
8.患者の管理に必要最小限のポート数またはルーメン数を有するCVCを使用する[65-68]。 カテゴリーIB
9.中心静脈栄養における専用ルーメンの使用に関する勧告は行うことができない。 未解決問題
10.不要になった血管内留置カテーテルは速やかに抜去する[69-72]。 カテゴリーIA
11.無菌操作の徹底が確保できないとき(医療上の緊急時におけるカテーテルの挿入)、カテーテルをできる限り速やかに(48時間以内)交換する[37, 73-76]。 カテゴリーIB
背景
カテーテルの留置部位は、その後のカテーテル由来感染と静脈炎のリスクに影響する。カテーテル感染リスクに対する部位の影響は、血栓性静脈炎リスクと局所的な皮膚常在菌叢の密度に部分的に関係がある。
成人患者同様、小児患者でも末梢静脈カテーテルを使用すると、静脈炎、輸液の血管外遊出、カテーテル感染を合併するおそれがある[243]。カテーテルの場所、持続静注用脂肪乳剤を含有する中心静脈栄養輸液の点滴、カテーテル挿入前のICU収容期間はいずれも、小児患者の静脈炎リスクを増加させている。しかし、成人のリスクとは対照的に、小児の静脈炎リスクはカテーテル留置期間では増加していない[243, 244]。
カテーテル挿入部位の皮膚常在菌叢の密度はCRBSIの主要なリスク因子である。頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈で留置されたカテーテルに関する感染率を十分に比較した試験はまだ1件もないが、後向き観察研究では、内頸静脈に挿入したカテーテルのほうが、鎖骨下静脈に挿入したものと比べて、コロニー形成やCRBSIのリスクが高くなる場合が多い[37.47]。類似所見は、後向き研究1件で新生児においても確認されている[245]。大腿カテーテルは、成人患者で使用するとき鎖骨下や内頸部位と比べてコロニー形成率が高いことが示されているが、複数の研究においてCLABSI率でも高いことが示されている[40, 45-47, 50, 51, 246]。また大腿カテーテルは、深部静脈血栓症についても内頸静脈カテーテルや鎖骨下カテーテルよりもリスクが高いことから、可能であれば使用を回避すべきである[48.50, 53, 247]。ある研究[38]では、大腿静脈に留置したカテーテルに関連した感染リスクが肥満患者で目立つことが判明している。成人患者とは対照的に、小児患者での研究では、大腿カテーテルが非大腿カテーテルと比べて機械的合併症の発生率が低く、また感染率については同等であると考えられることを示している[248-251]。したがって、成人患者では、カテーテル留置部位を決める際には他の因子(例:機械的合併症の可能性、鎖骨下静脈狭窄症のリスク、カテーテル挿入施行者の技術)を考慮しなければならないが、感染管理上は鎖骨下部位が望ましい。
2件のメタ分析によると、CVC留置のために2次元超音波ガイドを使用した場合、機械的合併症が大幅に減少し、標準的なランドマーク留置法に比べて必須のカニューレ挿入の試行数とその失敗数も減っていることがわかった[60, 61]。エビデンスからは、ドップラー超音波ガイドよりも2次元超音波ガイドを使用するのが望ましいと言える[60]。さらに部位の選択にあたっては、患者固有の因子(例:既存のカテーテル、解剖学的奇形、出血傾向)、機械的合併症(例:出血、気胸)の相対リスク、ベッドサイド超音波装置の有無、カテーテル挿入者の経験、感染リスクのほか、患者の快適さ、カテーテルの安定性、無菌状態の維持も考慮しなければならない。
カテーテルは開放創からできる限り距離を置いて挿入することが求められる。ある研究では、熱傷による開放創の近く(熱傷重複部分25 cm2)に挿入したカテーテルは、離れたところで挿入したカテーテルに比べて、コロニー形成する確率が1.79倍で、菌血症と関連する確率が5.12倍であったことが示されている[252]。
カテーテル材料の種類
ポリテトラフルオロエチレン(テフロン®)製またはポリウレタン製のカテーテルは、ポリ塩化ビニル製またはポリエチレン製のカテーテルに比べて感染性合併症が少ない[36, 253, 254]。末梢静脈アクセスのためカテーテルに代わるものとして使われる金属針は、テフロン製カテーテルと感染性合併症率は同じである[33, 34]。しかし、金属針の使用は、皮下組織への静脈内(IV)輸液剤の浸入を合併する場合が多く、注入輸液剤が壊死性であれば重篤な合併症になる潜在性がある[34]。
テフロンは米国デュポン社または関連会社の登録商標です。
手指衛生と無菌操作
勧告
1.普通の石鹸と水で手を洗うか擦式アルコール製剤(ABHR:alcohol-based hand rub)を用いて手指衛生を行う。手指衛生は、血管内留置カテーテルの挿入、交換、アクセス、修復、ドレッシングの前後だけでなく、カテーテル挿入部位の触診の前後にも行わなければならない。無菌操作が守られない限り、消毒薬の塗布後に挿入部位の触診は行ってはならない[12, 77-79]。 カテゴリーIB
2.血管内留置カテーテルの挿入とケアの際には無菌操作を守る[37, 73, 74, 76]。 カテゴリーIB
3.皮膚消毒薬の塗布後にアクセス部位に触れない場合、末梢血管内留置カテーテルの挿入には滅菌手袋ではなく清潔手袋を着用する。 カテゴリーIC
4.動脈、中心、ミッドラインの各カテーテル挿入の際には滅菌手袋を着用しなければならない[37, 73, 74, 76]。 カテゴリーIA
5.ガイドワイヤー交換を行うとき、新しいカテーテルを取り扱う前に新しい滅菌手袋を使用する。カテゴリーII
6.血管内留置カテーテルのドレッシングを交換するとき、清潔手袋か滅菌手袋のいずれかを着用する。 カテゴリーIC
背景
カテーテルの挿入前や維持管理前の手指衛生は、カテーテル操作時の適正な無菌操作とともに、感染予防に役立つ[12]。手指衛生を正しく行うには、アルコール系製剤か[255]石鹸を使って水で十分に洗う[77]。適切な無菌操作では、末梢カテーテル挿入の場合、滅菌手袋は必ずしも必要ではなく、新しい使い捨て非滅菌手袋を「ノータッチ」操作とともに末梢静脈カテーテルの挿入に使うことができる。中心静脈カテーテル留置の場合は、「ノータッチ」操作ができないため、必ず滅菌手袋を着用しなければならない。
マキシマル・バリアプリコーション
勧告
1.CVC、PICCの挿入またはガイドワイヤー交換の際に、マキシマル・バリアプリコーション(キャップ、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋、全身用の滅菌ドレープの使用を含む)を用いる[14,75, 76, 80]。 カテゴリーIB
2.挿入中に肺動脈カテーテルを保護するため滅菌スリーブを使用する[81]。 カテゴリーIB
背景
マキシマル・バリアプリコーションは、CVC留置時に滅菌ガウン、滅菌手袋、キャップを着用して、全身用ドレープ(手術室で使われるドレープと同様)を使用することと定義されている。CVC挿入時のマキシマル・バリアプリコーションと滅菌手袋・小型ドレープとを比較した無作為化対照試験では、マキシマル・バリアプリコーションを実施したグループは、カテーテルコロニー形成(RR※2=0.32、95%CI※3 0.10~0.96、P=0.04)、CRBSI(RR=0.16、95%CI 0.02~1.30、P=0.06) ともに発生件数が少なかった。さらに、マキシマル・バリアプリコーションを実施したグループでの感染症は発生がかなり遅く、含まれる微生物はグラム陽性ではなくグラム陰性であった[76]。また、肺動脈カテーテルの研究でもマキシマル・バリアプリコーションの採用が感染リスクを低減させたことを二次的に証明している[37]。別の研究では、感染管理対策(特にマキシマル・バリアプリコーション)を改善するための教育プログラムを評価したところ、マキシマル・バリアプリコーションの採用の増加とともにCRBSIが減少していることが明らかにされている[14]。小規模試験では、マキシマル・バリアプリコーションを実施したところ挿入部位の皮膚コロニー形成リスクが低減したことが示された[OR※43.40、95%CI 1.32~3.67][80]。
※2 相対リスク
※3 信頼区間
※4 オッズ比
マキシマル・バリアプリコーション
勧告
1.CVC、PICCの挿入またはガイドワイヤー交換の際に、マキシマル・バリアプリコーション(キャップ、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋、全身用の滅菌ドレープの使用を含む)を用いる[14,75, 76, 80]。 カテゴリーIB
2.挿入中に肺動脈カテーテルを保護するため滅菌スリーブを使用する[81]。 カテゴリーIB
背景
マキシマル・バリアプリコーションは、CVC留置時に滅菌ガウン、滅菌手袋、キャップを着用して、全身用ドレープ(手術室で使われるドレープと同様)を使用することと定義されている。CVC挿入時のマキシマル・バリアプリコーションと滅菌手袋・小型ドレープとを比較した無作為化対照試験では、マキシマル・バリアプリコーションを実施したグループは、カテーテルコロニー形成(RR※2=0.32、95%CI※3 0.10~0.96、P=0.04)、CRBSI(RR=0.16、95%CI 0.02~1.30、P=0.06) ともに発生件数が少なかった。さらに、マキシマル・バリアプリコーションを実施したグループでの感染症は発生がかなり遅く、含まれる微生物はグラム陽性ではなくグラム陰性であった[76]。また、肺動脈カテーテルの研究でもマキシマル・バリアプリコーションの採用が感染リスクを低減させたことを二次的に証明している[37]。別の研究では、感染管理対策(特にマキシマル・バリアプリコーション)を改善するための教育プログラムを評価したところ、マキシマル・バリアプリコーションの採用の増加とともにCRBSIが減少していることが明らかにされている[14]。小規模試験では、マキシマル・バリアプリコーションを実施したところ挿入部位の皮膚コロニー形成リスクが低減したことが示された[OR※43.40、95%CI 1.32~3.67][80]。
※2 相対リスク
※3 信頼区間
※4 オッズ比
皮膚の前処置
勧告
1.末梢静脈カテーテル挿入前に消毒薬(70%アルコール、ヨードチンキまたはグルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤液)で皮膚を前処置する[82]。 カテゴリーIB
2.中心静脈カテーテルおよび末梢動脈カテーテル挿入前とドレッシング交換時に>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤液で皮膚を前処置する。クロルヘキシジンに対する禁忌がある場合、ヨードチンキ、ヨードフォア、70%アルコールのいずれかを代替消毒薬として使用することができる[82, 83]。 カテゴリーIA
3.皮膚消毒でのクロルヘキシジンアルコール製剤とポビドンヨードアルコール製剤の使用比較は行われていない。 未解決問題
4.生後2カ月未満の乳児でのクロルヘキシジンの安全性と有効性に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
5.消毒薬はカテーテル留置前に製造元の推奨に従って乾燥させる[82, 83]。 カテゴリーIB
背景
十分に設計された2件の研究において、血管内留置カテーテル挿入部位のケアに関して、ポビドンヨードまたはアルコールとの比較でクロルヘキシジン含有の皮膚消毒薬による処置を評価したところ、クロルヘキシジンの使用と関連してカテーテルコロニー形成またはCRBSIの割合が低いことが明らかになっている[82, 83]。(ちなみに、グルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤とポビドンヨードアルコールとの比較は行われていない。) 0.5%クロルヘキシジンチンキは、10%ポビドンヨードと比較して、中心静脈カテーテル(CVC)コロニー形成またはCRSBIの差は見られなかった[256]。
3つの消毒薬の比較研究(2%グルコン酸クロルヘキシジン水 vs 10%ポビドンヨード vs 70%アルコール)では、2%グルコン酸クロルヘキシジン水は、10%ポビドンヨードまたは70%アルコールと比較して、CRBSIを減少させる傾向があった[82]。カテーテル事例4,143件についてのメタ分析では、ポビドンヨードと比較して、クロルヘキシジン製剤はカテーテル由来感染リスクを49%(95%CI 0.28~0.88)低減していることが示唆された[257]。入手可能なエビデンスに基づく経済的決定分析では、CVCケアにポビドンヨードよりもクロルヘキシジンを使用することで、CRBSI発生率の1.6%低下、死亡発生率の0.23%低下、使用カテーテル1本あたり113ドルの節減につながることが示唆された[258]。クロルヘキシジンは中心静脈カテーテル、末梢静脈カテーテル両方の挿入のための皮膚消毒で標準消毒薬となっているが、 70%エタノール含有の5%ポビドンヨード液も、10%ポビドンヨード液と比較して、CVC由来のコロニー形成と感染の大幅な低減と関連していた[259]。
カテーテル部位のドレッシング法
勧告
1.カテーテル部位を覆うために、滅菌ガーゼか滅菌透明ドレッシングのいずれかを使用する[84.87]。 カテゴリーIA
2.患者が発汗症である場合または部位が出血または滲出している場合、これが解決されるまで、ガーゼドレッシングを使用する[84-87]。 カテゴリーII
3.カテーテル部位のドレッシングは、湿ったり緩んだり明白に汚れたりした場合、交換する[84,85]。 カテゴリーIB
4.抗菌薬配合の軟膏やクリームは、真菌症と抗菌薬耐性を助長する可能性があるため、透析カテーテルの場合を除いて挿入部位に局所使用しない[88, 89]。 カテゴリーIB
5.カテーテルやカテーテル部位を水に浸さない。カテーテルへの微生物侵入の確率を減らす対策(例:カテーテルと接続器具をシャワーの間、不浸透性カバーで保護する)を講じることができる場合、シャワーを浴びることは差し支えない[90-92]。 カテゴリーIB
6.短期CVC部位で使われるドレッシングは、ガーゼドレッシングの場合、2日ごとに交換する。カテゴリーII
7.短期CVC部位で使われるドレッシングは、透明ドレッシングの場合は少なくとも7日ごとに交換する。ただし、カテーテルを取り外すリスクがドレッシング交換のメリットを上回るおそれのある小児患者については、この限りではない[87, 93]。 カテゴリーIB
8.トンネル型または埋め込み型CVC部位で使われる透明ドレッシングは、挿入部位が治癒するまで、少なくとも週1回交換する(ドレッシングが汚れたり緩んだりしていない場合)。カテゴリーII
9.十分に治癒した長期カフ付きトンネル型CVC穿刺部位でのドレッシングの必要性に関して勧告を行うことはできない。 未解決問題
10.カテーテル部位のケアがカテーテル材料に適合することを確認する[94, 95]。 カテゴリーIB
11.全ての肺動脈カテーテルに滅菌スリーブを使用する[81]。 カテゴリーIB
12.クロルヘキシジン含浸スポンジドレッシングは、基本的な予防策(教育・訓練、皮膚消毒のためのクロルヘキシジンの使用、マキシマル・バリアプリコーションを含む)の徹底にもかかわらずCLABSIの割合が低下しない場合において、生後2カ月を超える患者での一時的短期カテーテルに使用する[93, 96-98]。 カテゴリーIB
13.他の種類のクロルヘキシジンドレッシングに関する勧告はなされていない。 未解決問題
14.患者の臨床状況に応じて、カテーテル部位をドレッシング交換時には視診で、また損なわれていないドレッシングを介して定期的に触診でモニターする。挿入部位の圧痛、原因不明の発熱、その他局所感染または血流感染を示す症状が患者にある場合、ドレッシングを外して部位の綿密な検査を行う[99-101]。 カテゴリーIB
15.カテーテル部位の変化または新たな違和感があれば、施行者に伝えるよう患者に勧める。カテゴリーII
背景
透明な半透過性ポリウレタンドレッシングを使用すると、常時カテーテル部位を目視点検することができ、また標準的なガーゼとテープドレッシングほど頻繁に交換する必要がなくなる。末梢カテーテルでのドレッシング法に関する最大規模の対照試験では、末梢カテーテル事例およそ2,000件について透明ドレッシングの使用に関連する感染性罹患率が検討された[254]。この研究から得られたデータを見ると、透明ドレッシングを施したカテーテルでのコロニー形成率(5.7%)はガーゼを施したカテーテルでの割合(4.6%)とほぼ同等であり、カテーテル部位のコロニー形成や静脈炎の発生には臨床的に大差はないことがうかがえる。さらに、データは、血栓性静脈炎のリスクを増大させることなく透明ドレッシングを末梢静脈カテーテルの挿入期間、カテーテルの上に安全に貼付できることを示唆している[254]。
透明ドレッシングの使用とガーゼドレッシングの使用についてCRBSIリスクを比較した研究を評価したメタ分析では[260]、CRBSIリスクにはグループ間で差は見られなかったことから、ドレッシングの選択は好みの問題と言えるかもしれない。もし血液がカテーテル挿入部位から滲出している場合はガーゼドレッシングが望ましい。また、ガーゼとテープを透明ドレッシングと比較した無作為化対照試験の体系的レビューでは、CRBSI、カテーテル先端コロニー形成または皮膚コロニー形成におけるドレッシングの種類による有意差は確認されなかった[261]。
クロルヘキシジン含浸ドレッシングはCRBSIリスクを減らすのに使用されているが、ICU患者においてクロルヘキシジン含浸スポンジドレッシングと標準ドレッシングとを比較した多施設間無作為化対照試験で現在公表されている最大規模の試験では、感染のバックグラウンド率が低いときでもCRBSI率が低減されていることが示された。この研究では患者1,636人(カテーテル3,778本、28,931カテーテル日)の評価が行われた。クロルヘキシジン含浸ドレッシングは、主なCRBSI(10/1,953[0.5%]、1,000カテーテル日あたり0.6 vs 19/1,825[1.1%]、1,000カテーテル日あたり1.4;HR※5 0.39[95%CI 0.17~0.93];P=0.03)およびCRBSI(6/1,953カテーテル、1,000カテーテル日あたり0.40 vs 17/1,825カテーテル、1,000カテーテル日あたり1.3;HR 0.24[95%CI 0.09~0.65])の割合を低下させた[93]。小児140人を対象にしたポリウレタンとクロルヘキシジン含浸のドレッシングの無作為化対照研究では、BSIの統計上の差は示されなかったが、クロルヘキシジングループのほうがCVCコロニー形成の割合が低かった[98]。化学療法を受けている癌患者601人を対象にした研究では、CRBSIの発生率は標準ドレッシングと比較してクロルヘキシジンスポンジドレッシングを受けている患者で減っていた(P=0.016、RR 0.54、CI 0.31~0.94)[262]。無作為化対照試験8件のメタ分析では、クロルヘキシジン含浸スポンジが血管内および硬膜外カテーテルの穿刺部位コロニー形成の低減と関連していることが示されたが、CRBSIの有意な低減は示されなかった(2.2% vs 3.8%、OR 0.58、95%CI 0.29~1.14、P=0.11)[97]。
小児でのクロルヘキシジン含浸スポンジの使用に関するデータは限られているものの、新生児705人を対象にした無作為化対照研究では、標準ドレッシングのグループと比較して、クロルヘキシジン含浸スポンジのグループの幼児ではコロニー形成のあったカテーテルが大幅に減少したが(15%対24%、RR 0.6、95%CI 0.5~0.9)、感染源を伴わないCRBSIまたはBSIの割合には差がないことを報告している。クロルヘキシジン含浸スポンジは超低出生体重児での限局性接触皮膚炎と関連しており、超低出生体重の新生児98人において、15人(15%)が限局性接触皮膚炎を発症している。ちなみに体重1,000g超の新生児237人では4人(1.5%)がこの反応を示している(P<0.0001)。生後8日未満でCVCを留置された在胎26週未満児は限局性接触皮膚炎のリスクが増加していた。一方、対照グループの乳児はこの局部的な反応を起こしていなかった[96]。
※5 ハザード比
患者の清拭
勧告
CRBSIを減らすために2%クロルヘキシジンで毎日の皮膚清拭を行う[102-104]。 カテゴリーII
背景
2%クロルヘキシジン含浸タオルでICU患者の清拭を日常的に行うのは、原発性BSIの割合を低下させるのに単純で効果的な対策かもしれない。ICU患者836人を対象にした単一施設研究では、クロルヘキシジン介入を受けた患者は、石鹸と水で洗われていた患者よりも原発性BSIに罹る確率が有意に低かった(1,000患者日あたりの感染例4.1 vs 10.4、発生差6.3[95%CI 1.2~11.0])[102]。
カテーテル固定器具
勧告
血管内留置カテーテルに伴う感染リスクを減らすために無縫合式固定器具を使用する[105]。 カテゴリーII
背景
カテーテルの固定は、静脈炎やカテーテルの移動・位置異常のリスクを低減する介入として認識されているが、CRBSI予防においても有益かもしれない。CRBSIの病因は、経皮挿入部位を通る皮膚常在菌叢の移動により起こる。無縫合固定器具はカテーテル挿入部位周辺の欠損を回避し、細菌コロニー形成の程度を低下させると考えられる[105]。また、無縫合固定器具を使用することにより、不注意による針刺しによる医療従事者の鋭利物損傷のリスクも低減する。
抗菌薬/抗菌物質含浸カテーテルとカフ
勧告
クロルヘキシジン/スルファジアジン銀またはミノサイクリン/リファンピン含浸CVCは、包括的なCLABSI率低減対策の導入後もCLABSI率が低下していない場合において、カテーテル留置が5日を超えると見込まれる患者に使用する。なお、包括的な対策には、カテーテルの挿入・維持管理を行う者の教育、マキシマル・バリアプリコーションの採用、CVC挿入中の>0.5%クロルヘキシジンアルコール製剤での皮膚消毒、以上3つの措置が少なくとも盛り込まれていなければならない[106-113]。 カテゴリーIA
背景
抗菌薬または抗菌物質がコーティングまたは含浸されている特定のカテーテルとカフは、CRBSIリスクを低減できるほか、その採用には追加費用がかかるものの、CRBSI治療に関連する病院経費を削減する可能性がある[110]。抗菌薬/抗菌物質含浸カテーテルに関する研究のほぼすべてが、カテーテル留置30日未満の成人患者においてトリプルルーメンのカフなしカテーテルを使って行われている。研究の大半は成人患者を対象としていたが、トリプルルーメンのカフなしカテーテルは体重3kgを上回る患者での使用にFDAが承認しているものである。小児ICU患者での非無作為化研究2件[112, 113]では、このカテーテルがカテーテル関連感染リスクを低減できるかもしれないことが示唆されている。なお、抗菌物質または抗菌薬含浸カテーテルで体重3kg未満の乳児に使用できるものは現在ない。
クロルヘキシジン/スルファジアジン銀 外面のみクロルヘキシジン/スルファジアジン銀がコーティングされているカテーテルは、CRBSIを減少させる手段として研究されている。第1世代のカテーテルに関するメタ分析2件[1, 263]では、この種のカテーテルは標準的な非コーティングカテーテルと比較してCRBSIリスクを低減することが示されている。1つの研究ではカテーテル留置期間は5.1日から11.2日にわたった[264]。第2世代のカテーテルが現在提供されているが、これは拡張セットとハブにまで及ぶ内面がクロルヘキシジンで覆われていて、外腔面がクロルヘキシジンとスルファジアジン銀で覆われている。外面のクロルヘキシジン量は第1世代の3倍で表面に結合している抗菌物質の放出が長く持続する。第2世代のカテーテルについての前向き無作為化研究が3件ある。いずれもカテーテルコロニー形成で有意な低下を示したが、症例数が不十分であるためCRBSIの差を示すことはなかった[106-108]。抗感染活性が延びたことで、感染予防効果が向上する[265]。稀にではあるが、このクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルの使用によるアナフィラキシーが観察されている[266-270]。
クロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルは標準カテーテルよりも高価である。しかし、他の予防策(例:マキシマル・バリアプシコーションと無菌操作)の徹底にもかかわらずCRBSIのリスクが高い環境において、クロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルを使用することで、1カテーテルあたり68ドルから391ドルの経費節減につながることを示唆する分析がある[271]。このカテーテルの使用は、ICU患者、熱傷患者、好中球減少症患者、その他感染率が1,000カテーテル日あたり3.3を超える患者集団で費用効果に優れているかもしれない[264]。
ミノサイクリン/リファンピン ある多施設間無作為化試験によると、内外面をミノサイクリン/リファンピンで含浸したCVCは、第1世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀含浸カテーテル銀と比較して、CRBSI率が低いことが示されている[109]。その薬効はカテーテル留置6日目を30過ぎてから始まった。平均留置期間が60日を超えるシリコン製のミノサイクリン/リファンピン含浸CVCは、CRBSIの低減に効果的であることが示されている[111]。ミノサイクリン/リファンピン耐性微生物は現在のところこれらの研究では報告されていない。2件の試験で、このカテーテルの使用が非コーティングカテーテルと比較してCRBSIを有意に減らすことが示されている[110, 111]。対照研究については、第2世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルを使ったものは今のところ発表されていない。耐性を獲得する可能性に関係する懸念はあるが、そのリスクが低いことを明らかにした前向き臨床試験がある[272, 273]。さらに、カテーテルの使用に関係するミノサイクリンまたはリファンピンへの耐性については臨床環境ではまだ記録されていない。決定モデル分析を使用した研究2件で、このカテーテルが第1世代のクロルヘキシジン/スルファジアジン銀カテーテルと比べて経費節減効果が優れていることが明らかにされている[274, 275]。第2世代のカテーテルと比較した、この種の分析を行う必要があるが、ベースライン感染率が減少しカテーテルのコストが減少することから、費用便益比率が変化する見込みが高い。
クロルヘキシジン/スルファジアジン銀、ミノサイクリン/リファンピンいずれの含浸カテーテルを使用するかの決定は、”バンドル”された標準手順(例:従事者の教育、マキシマル・バリアプリコーションの施行、皮膚消毒のための>0.5クロルヘキシジンアルコール製剤液の使用)を行った後にCRBSI予防を強化する必要性を踏まえるとともに、耐性病原体の出現の懸念とこの対策の導入コストとのバランスを考慮しなければならない。
プラチナ/銀 プラチナ/銀含浸カテーテル(銀イオン導入カテーテル)は米国で使用に供されている。このカテーテルと非コーティングカテーテルとを比較した前向き無作為化研究がいくつか公表されている[276-279]。そのうちの1件ではカテーテルコロニー形成とCRBSIの罹患密度の低下を示しているが[278]、他の研究ではカテーテルコロニー形成またはCRBSIについて、含浸カテーテルと非含浸カテーテルとの差は確認されていない[39, 276, 277]。この点から、こうしたカテーテルの使用または不使用に関して確たる勧告はできない。
全身への抗菌薬の予防投与
勧告
血管内留置カテーテルのコロニー形成またはCRBSIを予防するために、カテーテルの挿入前や使用中に全身への抗菌薬の予防投与をルーチンに行わない[114]。 カテゴリーIB
背景
複数の研究でカテーテル由来感染予防における全身への抗菌薬の予防投与の役割が調べられている。最新のメタ分析では腫瘍患者でこれらの研究をレビューしている[114]。4件の研究でカテーテル挿入前に予防薬としてグリコペプチドが使用されていたが、これらの研究が均一でないため、有効性について結論づけることができない。
インターロイキン2で治療を受けた癌患者におけるカテーテル由来感染に対するリファンピンとノボビオシンの経口予防投与の効果を調べた研究で[280]、対象患者26人のうち9人(35%)が副作用または毒性のため抗菌薬の予防投与を中止したものの、CRBSIの低下が確認された。非腫瘍患者では、中心静脈栄養法のためにカテーテルを留置されている患者55人にカテーテル挿入前にバンコマイシン投与を行ったが、関連したメリットはなかった[281]。同様に、心血管外科患者で周術期に抗菌薬を予防投与しても、中心静脈カテーテルのコロニー形成を低減することはなかった[282]。臍帯静脈カテーテルを留置した新生児での抗菌薬の予防投与に関する最新のコクランレビューでは、無作為化試験から得られるエビデンスが不十分であるため、抗菌薬の予防使用の裏付けも反証もできないと結論づけている[283]。
遅発性新生児敗血症は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に起因する場合が多く、感染した中心静脈カテーテルによく由来すると考えられている。バンコマイシン(中心静脈栄養法による持続点滴もしくは間欠投与)またはプラセボで治療された新生児合計371人が対象となった5件の試験が行われている。バンコマイシンで治療された新生児のほうが、敗血症(RR 0.11、95%CI 0.05~0.24)とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌による敗血症(RR 0.33、95%CI 0.19~0.59)が少なかった[284]。しかし、死亡率と入院期間については2グループ間で有意差はなかった。データが不十分で、バンコマイシン耐性菌のリスクを評価することはできなかった。
抗菌薬/抗菌物質配合の軟膏
勧告
ポビドンヨード配合の軟膏またはバシトラシン/ネオマイシン/ポリミキシンB軟膏は、製造元の推奨による血液透析カテーテルの材料と相互作用しない場合に限り、カテーテル挿入後と各透析終了後にカテーテル穿刺部位に使用する[59, 115-119]。 カテゴリーIB
背景
抗菌薬または抗菌物質配合の各種外用軟膏は、カテーテル挿入部位の汚染微生物数を減らし感染を予防する試みで利用されている。過去の数多くの研究では、主に末梢静脈カテーテルを調べたものだが、異なる結論が引き出されている[82, 285, 286]。さらに、抗真菌活性が限られている抗菌薬軟膏の使用は、カンジダ属によるコロニー形成や感染の増加を促す場合がある[89]。
最近の研究は高リスク患者(特に血液透析患者)でこのアプローチについて調べている[116.119]。3件の無作為化対照試験では10%ポビドンヨードの使用が評価されており、コロニー形成、穿刺部位感染または血流感染の有意な減少が観察された[117-119]。薬効は黄色ブドウ球菌による鼻腔内コロニー形成のある被験者において最も顕著であった[117-119]。黄色ブドウ球菌の鼻腔内保菌者は、非保菌者と比べてCRBSIに罹る可能性が高い[287-289]。このため外用ムピロシン(強力な抗ブドウ球菌薬)の有用性が評価されることとなった。複数の研究で、ムピロシン軟膏をカテーテル挿入部位に塗るとCRBSIリスクが低減したことが示され[117,290-292]、他の研究では、ムピロシンを鼻腔内に塗ると同じような効果が現れたことが明らかにされた[288, 289, 293]。しかし、一部の施設でムピロシン耐性の急速な発生が確認されたことや[88,294, 295]、ムピロシンにはポリウレタン製カテーテルに対して劣化作用があることから[94, 95]、この処置に対する評価は下がっている。
死亡率に対する有意な効果を示した唯一の研究では、カテーテル挿入部位でのバシトラシン/グラミシジン/ポリミキシンB軟膏の塗布が血液透析患者169人でプラセボと比較されている[296]。感染は、バシトラシン/グラミシジン/ポリミキシンBグループ(34 vs 12%、RR 0.35、95%CI 0.18~0.68)よりプラセボグループの患者で多く観察された。1,000カテーテル日あたりの感染症数(4.10対1.02、P<0.0001)と1,000カテーテル日あたりの菌血症数(2.48 vs 0.63、P=0.0004)も、プラセボグループで多かった。研究期間6カ月以内で、死亡数はプラセボグループが13件であったのに対して、バシトラシン/グラミシジン/ポリミキシンBグループ(P=0.004)は3件であった。このように、血液透析患者での研究1件でバシトラシン/グラミシジン/ポリミキシンB軟膏がアウトカムを改善するエビデンスが示されているが、他の患者集団に関しては類似データが存在しない[296]。なお、グラミシジン含有軟膏は米国では現在入手できない。
抗菌薬ロック法、抗菌薬カテーテルフラッシュ、カテーテルロック法
勧告
予防抗菌薬ロック液は、無菌操作が最適最大限に徹底されているにもかかわらず複数回CRBSIの既往歴を持つ長期カテーテル留置患者で使用する[120-138]。 カテゴリーII
背景
CRBSIを予防するために、多種多様な抗菌薬や抗菌物質の溶液がカテーテルルーメンのフラッシュやロックを行うのに利用されている[120-138]。カテーテルロックは、抗菌薬溶液を使ってカテーテルルーメンを充填して、カテーテルが使用されていない間も留置できる技術である。様々な濃度の抗菌薬溶液が、中心静脈カテーテルを予防的にフラッシュしたりロックしたりするために、単独使用(特定微生物に向けられるとき)または併用(幅広い経験的治療範囲を得るため)されているが、これにはバンコマイシン、ゲンタミシン、シプロフロキサシン、ミノサイクリン、アミカシン、セファゾリン、セホタキシム、セフタジジムが含まれる。一方、抗菌物質にはアルコール、タウロリジン、クエン酸三ナトリウムが含まれる。(タウロリジンとクエン酸三ナトリウムの使用は米国では未承認)。これらの薬剤は通常、ヘパリンまたはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など抗凝固剤として働く化合物と配合される。上記研究の大部分は少人数の高リスク患者(例:血液透析患者、新生児、好中球減少性腫瘍患者)で行われた。大部分の研究がカテーテル由来の感染予防に関して抗菌薬フラッシュやロックの溶液の有用性を示しているが、抗菌薬と関連する副作用、毒性、アレルギー反応、耐性出現の可能性とのバランスをとる必要がある。使用された化合物が多種多様であること、研究対象の患者集団が均一でないこと、そして、研究の規模またはデザインに限界があることから、使用に関する一般勧告ができない。その上、市販が承認されているFDA認可製剤がなく、大部分の製剤は院内調剤部で調合されている。一部研究について以下に概要を示す。
カテーテルフラッシュ液またはロック液に関する研究が血液透析患者で少なくとも10 件行われている[218, 219, 221-228]。3 件のメタ分析はいずれもカテーテルロック液が血液透析患者でCRBSIリスクを低減させることを示している[229-231]。最大規模の研究では、被験者 291 人が登録されて30%クエン酸三ナトリウムとヘパリンとの前向き無作為化比較が行われたが[223]、CRBSI 率はカテ ーテルがクエン酸三ナトリウムでロックしたグループが有意に低く(4.1 BSI/1,000CVC日 vs 1.1BSI/1,000CVC日、P<0.001)、カテーテルの血栓または閉塞についての有意差は認められなかった。しかし、急速注入した場合、濃縮クエン酸塩は深刻な低カルシウム血症、不整脈、死亡を招くことがある。血液透析者を対象にした 2 番目に大きな規模の研究では、ヘパリン単独使用の対照患者と比較して、セファゾリン、ゲンタミシン、ヘパリンを含むカテーテルロック液の作用が調べられている[135]。被験者 120 人のうち、CRBSI 率は抗菌薬ロック液を受けている被験者で有意に低 かった(0.44 BSI/1,000CVC日 vs 3.12 BSI/1,000CVC日、P=0.03)[135]。血液透析患者を対象にした他の試験では、ミノサイクリン、ゲンタマイシン、EDTA、ヘパリン、タウロリジン、バンコマイシン、セフォタキシムが研究されている。
小児腫瘍患者では研究は少なくとも5件行われている[120, 121, 124, 126, 127]。最大規模の試験は、被験者126人が登録された前向き無作為化二重盲検試験で、バンコマイシン/シプロフロキサシン/ヘパリン(VCH)と、バンコマイシン/ヘパリン(VH)と、ヘパリン(H)単独とを比較している[124]。CVC由来感染までの時間は、ヘパリン単独治療群と比べて、VCH治療群またはVH治療群で有意に長34く、感染率は、ヘパリン単独治療群と比べて、いずれの治療群も有意に低かった(1.72/1,000CVC日[H]vs 0.55/1,000CVC日[VCH]vs 0.37/1,000CVC日[VH])。
ヘパリン単独と比較してバンコマイシン含有ロック液またはフラッシュ液の有用性を調べた無作為化対照試験7件のメタ分析で、バンコマイシン/ヘパリン液のリスク比は0.49であった(95%CI 0.26~0.95、P=0.03)[300]。カテーテルロック法の使用は、単にバンコマイシンでカテーテルをフラッシュするよりもメリットは大きいようであった。
近年では、前向き二重盲検無作為化試験において、腫瘍患者の原発性CABSI予防のために70%エタノールロックとヘパリン添加生理食塩水の有用性が比較されている。エタノールロック法を受けている患者は原発性CRBSIに罹る確率が有意に低かった(0.60/1,000CVC日 vs 3.11/1,000CVC日、OR 0.18、95%CI 0.05~0.65、P=0.008)[301]。
抗凝固剤
勧告
一般患者集団でカテーテル由来感染リスクを減らすために抗凝固療法をルーチンに使用しない[139]。 カテゴリーII
背景
挿入直後に、血管内留置カテーテルは、フィブリン、血漿タンパク質、細胞要素(血小板、赤血球など)からなるコンディショニングフィルムで覆われる[213, 302]。微生物は、コンディショニングフィルムと相互に作用して、カテーテルにコロニーを形成する[303]。中心静脈カテーテルの血栓症と感染との間には密接な関連がある[221, 304, 305]。このため、抗凝固剤はカテーテル血栓症を予防し、おそらく感染リスクを減らす狙いで使用されている。
短期CVCを使用する患者でのヘパリン予防法(中心静脈栄養法で3U/ml、6時間または12時間ごとのフラッシュに対して5,000U、または2,500U低分子量ヘパリンの皮下投与)のメリットを評価したメタ分析によると、カテーテル由来中心静脈血栓のリスクがヘパリンの予防的な使用で低減することが確認されている[139]。しかし、CRBSI率の大幅な差異は認められなかった。より新しい前向き無作為化試験では、非トンネル型カテーテルを使用する患者204人にヘパリン(100U/kg/d)、生理食塩水(50ml/d)のいずれかを持続点滴したところ[306]、CRBSI率はヘパリン(2.5 BSI/1,000CVC日 vs 6.4 BSI/1,000CVC日)を受けているグループで有意に低下した。大部分のヘパリン液は抗菌活性を持つ防腐剤を含んでいるため、CRBSI率の低下が血栓形成の減少によるのか、防腐剤によるのか、あるいはその両方によるものかは不明である。大部分の肺動脈カテーテル、臍帯カテーテル、中心静脈カテーテルは、ヘパリンコーティングデバイスとして提供されている。ヘパリンとベンズアルコニウムを接着したものが大半であり、抗菌活性[307]と抗血栓作用[308]を備えている。一方、ベンズアルコニウムがなくヘパリンをカテーテルに直接接着させたカテーテルもある[309]。研究では、ヘパリンコーティングカテーテルが血栓症とCRBSIのリスクを低減するものの[306,308.310]、クロルヘキシジン/スルファジアジン銀含浸カテーテルに比べて、カテーテルコロニー形成の低減には効果が薄いことが明らかにされている[311]。残念なことに、ヘパリン誘発性血小板減少症が起こりうることから、多くの臨床医がヘパリンを回避するようになっている[312]。代わって、クエン酸三ナトリウムが、抗凝固特性と抗菌特性の両方を備えることから、カテーテルロック液として推奨されている[133]。血液透析患者での前向き無作為化二重盲検試験では、透析間ヘパリン(5,000U/ml)の使用が、30%クエン酸三ナトリウムの使用と比較して、CRBSI率が有意に高いことが示された(4.1BSI/1,000CVC日 vs 1.1BSI/1,000CVC日)[313]。
ワーファリンは、CVC血栓形成を抑制し感染を低減する手段として評価されている[314-318]。長期CVC装着患者では、低用量ワーファリン(1mg/日)でカテーテル血栓の発生率が低減された[142,143]。しかし、血栓症の減少を確認した研究はほかになく、逆に、5-FUを受けている患者で有害な相互作用を発見した研究がある[319, 320]。データが限定されているため、低用量ワルファリンは癌患者で血栓形成リスクを低減するものの、感染性合併症を減らすことは示されていない。一部の研究では患者の20%以上はプロトロンビン時間が延び投薬量の調整が必要となった[321]。他の抗凝固剤(例:血液凝固因子Xa阻害剤または直接トロンビン阻害剤)については、カテーテル関連感染リスクの低減に関して十分に評価されていない。
末梢・ミッドラインカテーテルの交換
勧告
1.成人患者では、末梢カテーテルは、感染と静脈炎のリスクを減らすために、72~96時間毎を超える頻度で交換する必要はない[36, 140, 141]。 カテゴリーIB
2.臨床上必要なときに限った成人患者での末梢カテーテルの交換に関して勧告はなされていない[142-144]。 未解決問題
3.小児患者では、末梢カテーテルは、臨床的に必要なときに限り交換する[32, 33]。 カテゴリーIB
4.ミッドラインカテーテルは、特定の徴候があるときに限り交換する。 カテゴリーII
背景
静脈炎とカテーテル由来感染症を予防する方法として血管内留置カテーテルの定期交換が提案されている。ショートタイプの末梢静脈カテーテルの研究では、カテーテルの留置時間が72時間を超えると、血栓性静脈炎の発生とカテーテルの細菌コロニー形成が増加することが示されている[258]。しかし、静脈炎率は、末梢カテーテルの留置時間が96時間の場合と72時間の場合を比較しても、実質的に差はない[141]。静脈炎とカテーテルコロニー形成がカテーテル由来の感染リスクの増加と関連づけられていることから、ショートタイプの末梢カテーテルの留置部位は、感染リスクの低減と静脈炎に関連する患者の不快感の軽減を図るため、72~96時間の間隔で交換するのが一般的になっている。
一部研究では、72時間の計画抜去と適宜の抜去とを比較したところ、静脈炎とカテーテルの不具合の割合が同じであることが示唆された[142-144]。しかし、これらの研究ではCRBSIの問題が取り扱われていなかったことから、この対策によるCRBSIのリスクは十分に研究されていない。
ミッドラインカテーテルは、ショートタイプの末梢カテーテルよりも、関連する静脈炎率が低く、CVCよりも感染率が低い[322-324]。ミッドラインカテーテル事例140件についての前向き研究では、カテーテルの使用が1,000カテーテル日あたり0.8のBSI率と関連していた[324]。カテーテル留置期間を含む特定のリスク因子は感染とは関連していなかった。ミッドラインカテーテルの留置期間の中央値は7日で、最大値は49日であった。この研究の所見から、ミッドラインカテーテルの交換は特別な適用があるときに限ることが示唆されているが、同カテーテルと関連するCRBSIの予防策として、定期交換のメリットを評価する前向き無作為化試験は行われていない。
CVC(PICCと血液透析カテーテルを含む)の交換
勧告
1.CVC、PICC、血液透析カテーテル、肺動脈カテーテルは、カテーテル由来感染を予防するためにルーチンに交換しない。 カテゴリーIB
2.CVCやPICCは発熱だけでは抜去しない。他で感染が明らかになっている場合や、発熱の非感染性原因が疑われる場合、カテーテル抜去の妥当性に関して臨床判断を用いる。 カテゴリーII
3.ガイドワイヤー交換は、感染を予防するために非トンネル型カテーテルに関してルーチンに行わない。 カテゴリーIB
4.ガイドワイヤー交換は、感染が疑われる非トンネル型カテーテルを交換するために行わない。 カテゴリーIB
5.ガイドワイヤー交換は、感染のエビデンスが存在しない場合において、機能不全の非トンネル型カテーテルを交換するのに行う。 カテゴリーIB
6.ガイドワイヤー交換を行うとき、新しいカテーテルを取り扱う前に、新しい滅菌手袋を使用する。 カテゴリーII
背景
CRBSIを減らす方法としてカテーテルを定期的に交換しても、その割合が下がることはない。2件の試験で、カテーテルの交換を適宜行う対策と7日ごとに行う対策の比較評価が行われている[165,325]。一方の研究はCVC、肺動脈カテーテルまたは末梢動脈カテーテルを要する外科ICU患者112人を対象に行われ[165]、もう一方の研究は鎖骨下血液透析カテーテルのみが対象となっている[325]。いずれの研究も、カテーテルの交換を7日ごとに行った患者と、適宜行った患者との間にCRBSIの差は認められていない。
ガイドワイヤー下での定期的なCVC交換が別のCRBSI予防策として提案されている。CVC管理を評価した無作為化対照試験12件のメタ分析では、カテーテルを適宜交換する場合と比較して、ガイドワイヤー交換によるCVCのルーチン交換を通してCRBSI率が低減することを示すことはできなかった[326]。したがって、CVCのルーチン交換は、カテーテルが機能していて局部的または全身的な合併症を引き起こすエビデンスがない場合は必要ない。
ガイドワイヤー下のカテーテル交換は、機能していないカテーテルの交換や、観血的モニターが不要になったときに肺動脈カテーテルをCVCと交換する手法として認められている。ガイドワイヤー下のカテーテル挿入は、新しい部位に経皮的に挿入するより、不快感が軽減され機械的合併症率が有意に低減される[327]。さらに、この手法は、一部の患者における限定的な静脈アクセスを維持する手段にもなる。菌血症がある場合でのガイドワイヤー下の一時的なカテーテル交換は、感染源が通常挿入部位から静脈への皮膚経路のコロニー形成であることから、許容できる代替策ではない[37, 327]。しかし、トンネル型血液透析カテーテルを使用し菌血症のある特定の患者では、ガイドワイヤー下のカテーテル交換は、抗菌薬療法と併用することで、静脈アクセスが限られた患者での救済法としての代替手段となる[328-331]。
小児では血管アクセス確保の困難さが増すため、カテーテルの交換頻度には注意する必要がある。生存分析法を使って小児ICU患者での中心静脈カテーテル留置期間と合併症との関係を調べた研究では、対象となった患者全員(n=397)が中央値で23.7日にわたり感染しない状態が続いた[250]。さらに、カテーテル留置期間と1日あたりの感染確率との関係は確認されず(R=0.21、P>0.1)、CVCのルーチン交換がカテーテル由来感染の発生を低減しない見込みがあることを示唆している[250]。
血管アクセス部位は新生児ではさらに制限される。最新のコクランデータベース・システマティックレビュー(CDSR)でまとめられた無作為化試験4件(n=368)では、経皮的中心静脈カテーテルと末梢血管カテーテルを通じた中心静脈栄養補給の効果が比較されている。経皮的に留置されたCVCに無作為抽出された新生児では痛みを伴う方法(静脈穿刺)はあまり必要とされず、BSIリスクの増加に関するエビデンスが認められなかった[332]。
血栓形成によるCVC閉塞は新生児のCVC抜去に関する最も一般的な理由の1つである。カテーテル閉塞予防に様々な方法が試されているが、最近では、ある無作為化試験(n=201)において、プラセボ点滴と比較して、持続ヘパリン点滴(0.5U/kg/時)がカテーテル留置期間を効果的に延ばせるか否かが評価されている。カテーテル抜去を要するカテーテル閉塞の割合はヘパリングループのほうが低かった(6% vs 31%、P=0.001、NNT※6 =4)。CRBSI率の差を評価できるほどの症例数はなかったが、CRBSI率は同じであった。ヘパリン関連の抗体レベルはルーチン的に測定されなかった[333]。血液透析カテーテル 血液透析のためのカテーテルの使用は、透析患者で菌血症を引き起こす最も一般的な因子である[334, 335]。透析カテーテルを使用する患者における菌血症の相対リスクは、AVシャントを造設した患者におけるリスクの7倍である[336]。AVシャントとグラフトは、関連する感染率が低いため、慢性腎不全患者では血液透析カテーテルよりも望ましい。一時的なアクセスが透析に必要な場合、カテーテルの留置期間が3週間を超えると予想されるのであれば、ICU環境であってもカフ付きカテーテルのほうがカフなしカテーテルより望ましい[59]。
肺動脈カテーテル 肺動脈カテーテルは、テフロン®製イントロデューサーを通して挿入されて、一般的に平均3日間留置される。大部分はヘパリンコーティングであり、カテーテル血栓症だけでなくカテーテルへの微生物付着も低減する[307]。メタ分析によると、肺動脈カテーテル留置に関連するCRBSI率が1,000カテーテル日あたり3.7で、薬剤が付加されていない非トンネル型CVCに関して認められた率(1,000カテーテル日あたり2.7)よりも多少高いことが示された[6, 45]。
前向き研究からのデータは、著しいカテーテルコロニー形成とCRBSIのリスクが、留置が長引くほど高まることを示している。一般に、著しいカテーテルコロニー形成のリスクは留置4日後に高まり[75, 337, 338]、一方、CRBSIリスクは留置5~7日を超えると高まる[75, 84, 166]。イントロデューサーに由来する感染と肺動脈カテーテルに由来する感染とを区別する取り組みが必要である。イントロデューサーの著しいコロニー形成が、肺動脈カテーテルのそれよりも早く起こるが[337, 339]、定期的なカテーテル交換がCRBSIを減らす効果的な方法であることを示す研究はない[165, 327,339]。血行動態的モニタリングを継続的に必要となる患者では、肺動脈カテーテルは、7日間隔よりも短い頻度で交換する必要はない[339]。7日を超える留置が必要なカテーテルのルーチン交換に関して、特別な勧告は行うことはできない。
肺動脈カテーテルは通常、カテーテルを覆うように包むことによって、カテーテルの接触汚染を防ぐ薄いプラスチック製スリーブで包装されている。カテーテル事例166件の研究では、このスリーブ内のカテーテルを留置するように無作為に割り付けられた患者のほうが、スリーブなしの肺動脈カテーテルを留置した患者よりもCRBSIリスクが低いことが示されている(P=0.002)[81]。
※6 治療必要数
臍帯カテーテル
勧告
1.臍帯動脈カテーテルは、CRBSI、下肢の血行不全、血栓症いずれかの徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。 カテゴリーII
2.臍帯静脈カテーテルは、CRBSIまたは血栓症の徴候がある場合、抜去して交換は行わない[145]。 カテゴリーII
3.臍帯カテーテルを通しての抗菌薬治療の施行によるカテーテルの維持を図ることに関して、勧告を行うことはできない。 未解決問題
4.カテーテル挿入前に消毒薬で挿入部位を清拭する。新生児甲状腺に作用する可能性があるため、ヨードチンキは避ける。他のヨード含有製剤(例:ポビドンヨード)は使用できる[146.150]。 カテゴリーIB
5.局所適用する抗菌薬配合の軟膏やクリームは、真菌症と抗菌薬耐性を助長する可能性があるため、臍帯カテーテル挿入部位に使用しない[88, 89]。 カテゴリーIA
6.臍帯動脈カテーテルを通じて注入される輸液剤に低用量ヘパリン(0.25~1.0U/ml)を加える[151.153]。 カテゴリーIB
7.臍帯カテーテルは、不要になったときや下肢への血行不全の徴候が観察されるときは、できるだけ速やか抜去する。臍帯動脈カテーテルの場合、留置は5日以内とするのが最も望ましい[145, 154]。 カテゴリーII
8.臍帯静脈カテーテルは、不要になったときはできるだけ速やかに抜去しなければならないが、無菌管理されている場合は14日まで使用することができる[155, 156]。 カテゴリーII
9.臍帯カテーテルは、機能不全になっていてその他にカテーテル抜去の適応がなく、留置の総期間が臍帯動脈カテーテルの場合で5日、臍帯静脈カテーテルの場合で14日を超えていない場合、交換することができる。 カテゴリーII
背景
臍断端部には出生直後にコロニー形成が多量に見られるが、臍帯血管カテーテル法が新生児での血管アクセスによく使われる。臍帯血管はカニューレを簡単に挿入することができ、血液検体の採取や血行動態の測定ができる。カテーテルコロニー形成とBSIの発生率は臍帯静脈カテーテルも臍帯動脈カテーテルも同じである。複数の研究で、臍帯動脈カテーテルの推定40~55%にコロニー形成が見られ、5%がCRBSIをもたらした。臍帯静脈カテーテルは症例の22~59%にコロニー形成が見られ[147, 148, 340]、症例の3~8%にCRBSIが見られた[148]。CRBSI率は臍帯カテーテルの位置が低位置(横隔膜より下で、大動脈分岐より上)であれ高位置(横隔膜より上)であれ同じだが、カテーテルが高位置に留置されていると、血管合併症の発症率が低く有害な続発症が増加することもない[148]。
感染のリスク因子は臍帯動脈カテーテルと臍帯静脈カテーテルで異なる。ある研究では、10日を上回る期間で抗菌薬を投与された超低出生体重児で臍帯動脈CRBSIのリスクが高くなっていた[148]。一方、出生時体重が重く中心静脈栄養輸液を投与された新生児で臍帯静脈CRBSIのリスクが高くなっていた。カテーテル留置期間は、どちらの臍帯カテーテルに関しても感染の独立リスク因子ではなかった。
最新の無作為化試験(n=210)では、臍帯静脈カテーテルの長期留置(最大28日)が、臍帯静脈カテーテルの短期留置(7~10日)後に経皮的中心静脈カテーテル留置を無作為に行った新生児と比較して、CABSIが同等または下回る結果となるかが評価された。CRBSI率は、短期カテーテル留置の新生児(13%)に比べて、長期カテーテル留置の新生児(20%)のほうが高いことが示された。この研究は統計上の有意差は認められなかった(P=0.17)が、症例数は少なく、静脈血栓率の差を評価できるほどではなかった[341]。
成人・小児患者の末梢動脈カテーテルと血圧モニタリング器具
勧告
1.成人患者では、感染リスクを減らすため挿入部位として大腿や腋窩よりも橈側、上腕、足背いずれかの部位を使用するのが望ましい[46, 47, 157, 158]。 カテゴリーIB
2.小児患者では、上腕部位は使用してはならない。橈骨、足背、後脛骨部位が挿入部位として大腿や腋窩よりも望ましい[46]。 カテゴリーII
3.末梢動脈カテーテル挿入中、少なくともキャップ、マスク、滅菌手袋、小さな滅菌穴あきドレープを使用しなければならない[47, 158, 159]。 カテゴリーIB
4.腋窩または大腿動脈カテーテル挿入中は、マキシマル・バリアプリコーションを採用しなければならない。 カテゴリーII
5.動脈カテーテルは、臨床上必要があるときに限り交換する。 カテゴリーII
6.動脈カテーテルは、不要になったときにできるだけ速やかに抜去する。 カテゴリーII
7.可能な場合は、再使用可能タイプではなく使い捨てタイプのトランスデューサアセンブリを使用する[160-164]。 カテゴリーIB
8.動脈カテーテルは、カテーテル由来感染を予防するためにルーチンに交換しない[165, 166,167, 168]。 カテゴリーII
9.トランスデューサは、使い捨てタイプも再使用可能タイプも、96時間で交換する。トランスデューサ交換時には、システムの他の構成品(連結管、持続フラッシュ器具、フラッシュ溶液を含む)も交換する[37, 161]。 カテゴリーIB
10.血圧モニタリングシステム(較正器具、フラッシュ溶液を含む)の構成品はすべて無菌に維持する[160, 169-171]。 カテゴリーIA
11.血圧モニタリングシステムの操作回数とシステムへの進入を最小限に抑える。血圧モニタリングカテーテルの開通性を維持するために、開放式(シリンジと三方活栓を必要とするもの)ではなく、閉鎖式フラッシュシステム(持続フラッシュ)を使用する[163, 172]。 カテゴリーII
12.三方活栓ではなくダイヤフラムを通して血圧モニタリングシステムにアクセスするとき、アクセス前にダイヤフラムを適切な消毒薬でスクラブする[163]。 カテゴリーIA
13.血圧モニタリング回路を通してブドウ糖含有溶液や中心静脈栄養輸液を投与しない[163,173, 174]。 カテゴリーIA
14.使い捨てタイプのトランスデューサが使用できない場合、再使用可能タイプのトランスデューサを製造元の説明書に従って滅菌する[163, 173-176]。 カテゴリーIA
背景
動脈カテーテルは通常、橈骨動脈または大腿動脈に挿入し、持続血圧モニタリングと血液ガス測定を行うことができる。動脈カテーテルのCRBSIリスクは、非コーティング・カフなし・非トンネル型の短期CVCに関連するものと比べて低い(1,000カテーテル日あたり1.7 vs 2.7)[6]。しかし、CRBSIリスクは動脈カテーテルとコーティング・カフなし・非トンネル型の短期CVCでは同等である[6]。CVCとは異なり、動脈カニューレ挿入中に完全なバリア予防策を使用することは動脈CRBSIのリスクを低減しないようである[158, 159]。しかし、動脈カテーテルがマキシマル・バリアプリコーションを含むプロトコールを使って挿入されるとき、CRBSIリスクは非常に低くなる可能性がある(0.41/1,000カテーテル日)[47]。メタ分析が挿入3部位(橈側、大腿、腋窩)の間でのCRBSI率の差を識別できなかったが[342]、大腿部位に挿入されるカテーテルでコロニー形成が起こりやすい[158]。さらに、マキシマル・バリアプリコーションを用いて挿入された動脈カテーテル事例2,900件以上の前向き観察研究では、橈骨部位と比較して、大腿部位が使われたときのCRBSI発生率のほぼ8倍高いことが示されている[343]。さらにまた、大腿部位が使用されるとき、グラム陰性菌に起因するCRBSIリスクがより高くなる[343]。カテーテルコロニー形成とCRBSIの割合は、橈骨部位と足背部位とでは類似しているようである[157]。CRBSIを発症するリスクはカテーテル留置期間と比例して高まるが[166, 344]、定期的な動脈カテーテルのルーチン交換はCRBSIリスクの縮小をもたらすわけではない[165]。5日を超える期間留置する必要があるカテーテルは、感染のエビデンスがなければ、ルーチン交換を行ってはならない。
点滴セットの交換
勧告
1.血液、血液製剤、脂肪乳剤の投与を受けていない患者では、継続使用されている点滴セット(2次セット、追加器具を含む)は、96時間間隔を超えない頻度で交換しなければならないが[177]、少なくとも7日ごとには交換する必要がある[178-181]。 カテゴリーIA
2.断続使用の点滴セットを交換する頻度に関して勧告することができない。 未解決問題
3.皮下埋め込み型ポートにアクセスするための針の交換頻度に関して勧告することはできない。 未解決問題
4.血液、血液製剤または脂肪乳剤(アミノ酸やブドウ糖と組み合わせた三種混合注入、または単独注入するもの)を投与するのに用いられる点滴ラインは、点滴開始から24時間以内に交換する[182-185]。 カテゴリーIB
5.バイアルを交換するとき、プロポフォール注入液の投与に使用する点滴ラインは、製造元の推奨どおりに、6時間または12時間ごとに交換する(FDAウェブサイト「Medwatch」)[186]。 カテゴリーIA
6.皮下埋め込み型ポートにアクセスするために使用される針を留置する期間に関して勧告することはできない。 未解決問題
背景
静注点滴セットのルーチン交換についての最適な間隔は十分な対照研究とメタ分析で調べられている。これらの研究から得られたデータから、使用開始後72~96時間毎よりも頻回にならないように点滴セットを交換するのが安全で費用効果の高いことが明らかにされている[141, 177, 179-181]。最近の研究では、抗菌物質含浸カテーテルとの関連で使われる場合、または、微生物増殖を助長する液体(例:中心静脈栄養輸液または血液)が使われていない場合、点滴セットが最大7日間安全に使用できることが示唆されている[216, 345]。微生物増殖を助長する液体(例:脂肪乳剤、血液製剤)が注入されるときは、これらの製剤がCRBSIの独立リスク因子と特定されていることから、点滴セットをさらに頻繁に交換する必要がある[182, 216, 346-350]。埋め込みポートへのアクセスに使用される針が留置されている期間とCRBSIのリスクに関してデータがあまりない。いくつかの施設では針を数週間留置させてもCRBSIの発症を招かなかったところもあるが[351]、この処置はまだ十分に研究されていない。
ニードルレス血管内留置カテーテルシステム
勧告
1.ニードルレス構成品は、少なくとも点滴セットと同程度の頻度で交換する。72時間を超える頻度での交換にはメリットがない[39, 187-193]。 カテゴリーII
2.ニードルレスコネクタは、感染率低減の目的で、72時間毎よりも頻回にならないように、または製造元の推奨に従って交換する[187, 189, 192, 193]。 カテゴリーII
3.システムの全構成品が漏れと破断を最小限に抑えるために互換性があることを確認する[194]。 カテゴリーII
4.アクセスポートを適切な消毒薬(クロルヘキシジン、ポビドンヨード、ヨードフォアまたは70%アルコール)で拭いて、滅菌デバイスだけをポートにアクセスすることにより、汚染リスクを最小限に抑える[189, 192, 194-196]。 カテゴリーIA
5.ニードルレスシステムは静注管にアクセスするために使用する。 カテゴリーIC
6.ニードルレスシステムを使用するとき、一部のメカニカルバルブでは感染リスクが増加するため、スプリットセプタムがメカニカルバルブよりも望ましい場合がある[197-200]。 カテゴリーII
背景
薬物注入、静注投与、血液検体採取に使われる三方活栓は、微生物にとって血管アクセスカテーテルと静注輸液への侵入口と言える。そのような汚染がCRBSIの原因微生物の事実上の侵入口であるかどうかは、証明するのが今のところ困難である。しかし、使用していないときは、三方活栓はキャップをするのが望ましい。一般的には、閉鎖式カテーテルアクセスシステムは、開放式システムに比べてCRBSIが少なく優先的に使用する必要がある[352]。
「ピギーバック」システム(1次輸液セットのポートを通して2次間欠注入を行う)が三方活栓に代わるものとして使用される。しかし、インジェクションポートのゴム部に差し込まれるデバイスが、空気にさらされているか、針をポートに固定するのに使用される未無菌テープが直接接触する場合、このシステムには血管内溶液の汚染の危険性がある。ピギーバックシステムを改良すれば、これらの部位での汚染を予防する可能性がある[353]。
鋭利物による負傷とそれに伴う医療従事者への血液媒介感染症の伝播リスクを低減する試みは、ニードルレス点滴システムの導入・要求につながっている。市場では数種類のニードルレスコネクタが販売されている。
初期のニードルレスシステムコネクタは、針の代わりに鈍先カニューレでアクセスされるスプリットセプタムコネクタで構成されていた(カニューレでアクセスするスプリットセプタム)。コネクタにはカニューレを収納するための大きなスペースがあるため、カニューレが取り外されると、結果として陰圧が生じ、管内に血液を引き込みカテーテル閉塞または血栓症のリスクを高めるおそれがある。ルアーアクセスデバイス(輸液剤の逆流を防止する弁を内蔵)が、この問題を解消するため設計された。一部のルアーデバイスには使用しないときに弁にキャップを取り付ける必要があり、このため弁を無菌維持するのが困難になり、ルアーアクセスデバイスが汚染を起こしやすくなる。
別タイプの第2世代ニードルレスシステムでは、陽圧メカニカルバルブ※7( 陽圧テクニックを使用しないでも自動で陽圧がかかる)またはニュートラル※8(陰圧がかからず自動でニュートラルな状態になる)システムにより、吸入された血液を外へフラッシュするか、点滴カテーテルへの血液の吸い込みを防止する仕組みを組み込むことで、この閉塞問題を解決している。
ニードルレスコネクタまたはメカニカルバルブの使用は、三方活栓とキャップと比べると、すべての研究ではないものの[356]、一部研究[196, 354, 355]でコネクタコロニー形成の低減に効果的と思われる。ある研究[354]では、CRBSIの発生率は、ニードルレスコネクタと標準的な三方活栓とを比較して低減されたことが示されている。コネクタを通しての微生物の伝播を防ぐには、適切な消毒薬を使用しなければならない[357]。一部研究では、クロルヘキシジンアルコール製剤液でのデバイスの消毒はコロニー形成の低減に最も効果的と思われることが示されている[195, 196]。さらに、消毒薬の塗布に要する時間も重要な場合もある。ある研究ではルアーアクセスデバイスを70%アルコールで3~5秒間だけ拭い取っても中隔面が十分に消毒されていないことが明らかにされた[358]。しかし、複数のアウトブレイク調査で、プラスティックカニューレを必要とするスプリットセプタムニードルレスからメカニカルバルブへの切り替えに関連するCRBSIの増加が報告されている[197, 198, 200, 359]。この関連の理由は不明であり、また器具によってニードルレスコネクタの物性・機械特性が異なることもあって、デバイス固有関連であるのかクラス関連であるかも不明である。さらに、ある調査でCRBSIが陰圧メカニカルバルブから陽圧メカニカルバルブへの切り替えで増加したことが明らかにされている[199]。しかし、観察研究では、“バンドル”介入の一環として陰圧メカニカルバルブからもう一種類の陽圧マカニカルバルブへ切り替えた結果、CRBSIが有意に減少した[201]。こうした器具に関連したアウトブレイクの原因と考えられるものとして、プラスチック製ケース・ダイヤフラムインターフェースの物理的特性によるコネクタ表面の殺菌の難しさ、流体の流動性(層流対乱流)、内側面積、潜在的な流体のデッドスペース、不透明器具内の流路目視不良による器具のフラッシュ不足、特にカテーテルが採血に用いられる場合に微生物を宿す可能性のある内側のしわの存在が挙げられている[199]。一部研究では、ルアーアクセスデバイスへの変更に伴うCRBSIの増加は不適切な洗浄や感染管理対策(デバイスの交換頻度の少なさなど)に関係する場合があることが示されている[192, 194]。さらに、銀コーティングコネクタ弁は、市販についてFDA承認を受けているが、この器具に関して公表されている無作為化試験がなく、その使用に関して勧告を行うことはできない。同様に、ニードルレスコネクタ用の消毒薬バリアキャップは検査室環境で研究されて微生物の侵入防止に効果的と思われるが[360]、臨床試験はまだ行われていない。
※7.8 日本では未発売
業務改善
勧告
エビデンスに基づく勧告指針の遵守を向上させるため、多方面にわたる戦略を“バンドル”にした病院独自または協同ベースの業務改善計画を採用する[15, 69, 70, 201-205]。 カテゴリーIB
背景
臨床方針の決定者、医療費の支払者、患者安全の擁護者は、研究所見を日常業務に転換することの重要性を強調する。内的妥当性の高い研究デザインを使用し、外的妥当性を最適化する被験者集団を伴って、CRBSI予防法を厳格に評価することが依然必要である。医療行為が効果的であり経済効率性に優れていると判断されれば、次のステップとして、これらのエビデンスに基づく実践(EBP)を導入して、ルーチンの臨床ケアに組み込まれるようにしなければならない。残念ながら、米国病院におけるエビデンスに基づくCRBSI予防策の実施状況は最適とは言えないままである[361, 362]。米国の700病院以上を対象に2005年3月に行われた全米調査では、米国病院のおよそ4分の1が、2002年版ガイドラインで広く勧告されている2つの方策(中心ライン挿入時のマキシマル・バリアプリコーション、挿入部位の消毒薬としてのグルコン酸クロルヘキシジンの使用)[363]のいずれもルーチン的に使われていないことが示された[364]。米国病院のおよそ15%は、CVCのルーチン交換が必要なくなったことを示すエビデンスがあるにもかかわらず、感染予防策としてこれを行っていることを報告している[362, 364]。
したがって、研究所見とエビデンスに基づく勧告を臨床行為に転換するために様々なアプローチが試みられている。過去数年間に発表されている多数の質改善研究では、医療従事者の教育、監査・フィードバック、組織改革、臨床リマインダーなど様々な方法が使用されている[8-11, 69, 70, 202,365-367]。教育的な介入では、手指衛生、挿入中のマキシマル・バリアプリコーションの使用、適切な挿入部位の選択、グルコン酸クロルヘキシジンを使用した適切な部位ケア、不要なカテーテルの速やかな抜去などに主眼を置いている。多数の前後比較研究と、同時対照グループを使っている研究[15, 70]がいくつか公表されているものの、CRBSIを予防するために質改善策を評価した無作為化対照試験は報告されていない[368]。大多数の前後比較研究では、質改善策の導入後にCRBSI率が統計上有意に低減したことが報告されている[368]。さらに、同時対照試験でも、対照グループと比較して介入グループでCRBSIが統計上有意に低減していることが確認されている[15, 70]。
また、エビデンスに基づくガイドラインの遵守を改善するために複数の対策を一緒に“バンドル”する多面的なアプローチも採用されている[15, 69, 70]。そのような共同コホート研究(ミシガン州のICU 108部門が参加)[69]では、臨床医が使用する5つのEBP(手指衛生、マキシマル・バリアプリコーション、クロルヘキシジンによる消毒、大腿部位の回避、不要な中心静脈カテーテルの速やかな抜去)を対象とした。CRBSI予防について臨床医を教育することに加えて、使われた介入策として、
1)中心静脈カテーテルカートに必要な物品すべてを収納、
2)チェックリストによる適切な実践の遵守の徹底、
3)非緊急状況での処置の停止(エビデンスに基づく実践が守られていない場合)、
4)日常の患者ラウンド時に特定された不要な中心静脈カテーテルの速やかな抜去、
5)CRBSI発症件数と全体的な割合に関する臨床チームへのフィードバック、そして、
6)研究開始前のグルコン酸クロルヘキシジン製剤/溶液の確保に対する参加病院の最高経営責任者からの賛同などがあった。分割時系列デザインと多変量回帰を使って、研究者は、介入開始後およそ18カ月でCRBSI率が統計上有意に低下し66%減であったこと[69]、そして、しばらく減少が維持されたこと[369]を報告している。追跡とフィードバックのためのプロセスとアウトカムの個別指標(すなわち、中心ライン感染率、留置される中心ラインの割合、実施・記録された全措置または個々のバンドル措置)については、業務改善の対象とされた分野に基づいて各機関で特定する必要がある。
最後に、留置時のカテーテルのケアと維持管理の重点化では、あらゆるプログラムにおいて業務改善と質の保証に主眼を置かなければならない。CVC挿入後ケアについての実践と従事者の知識を評価して、改善の余地があるCVCケアの側面を特定する研究では、挿入後ケアを改善できる機会がいくつか明らかにされた[370]。データは合計721カテーテル日の患者106人でのCVC 151本から記録された。全体でケア違反323件が特定され、過失率は44.8%であった。ICUと非ICU病棟との間に有意差が見られた。ドレッシングの緩みおよびキャップとインジェクション接続不良等がCVCケアでの主たる過失として特定され、それぞれ1,000カテーテル日あたり158件と156件の違反があった。ケアの信頼性を改善する介入では、ベストプラクティスの実施を容易にすることに焦点を定めなければならない。
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8. 監訳者 略歴
矢野邦夫
浜松医療センター
副院長 兼 感染症科長 兼 臨床研修管理室長 兼 衛生管理室長
略歴
1981年 | 3月 | 名古屋大学医学部卒業 |
1981年 | 4月 | 名古屋掖済会病院 |
1987年 | 7月 | 名古屋第二赤十字病院 |
1988年 | 7月 | 名古屋大学第一内科 |
1989年 | 12月 | 米国フレッドハッチンソン癌研究所(リサーチフェロー・クリニカルフェロー) |
1993年 | 4月 | 浜松医療センター |
1996年 | 7月 | 米国ワシントン州立大学感染症科エイズ臨床短期留学 |
米国エイズトレーニングセンター臨床研修終了 | ||
1997年 | 4月 | 浜松医療センター感染症科長(現職) |
1997年 | 7月 | 同上衛生管理室長(現職) |
2008年 | 7月 | 副院長兼臨床研修管理室長(現職) |
医学博士
インフェクションコントロールドクター
感染症専門医血液専門医日本輸血学会認定医日本内科学会認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
浜松医科大学 臨床教授
神奈川県立保健福祉大学実践教育センター 非常勤講師
日本感染症学会、日本環境感染学会、日本血液学会評議員
日本エイズ学会、日本臨床微生物学会、日本静脈経腸栄養学会会員
著書
感染対策総合マニュアル(メディカ出版)、もっともっとねころんで読めるCDCガイドライン(メディカ出版)、もっと寝ころんで読めるCDCガイドライン(メディカ出版)、エビデンスに基づいた抗菌薬適正使用マニュアル(メディカ出版)、エビデンスに基づく院内感染対策のための現在の常識(永井書店)、感染制御の授業-30日間基本マスター(ヴァンメディカル)、日常生活における感染予防ガイド(日本医学館)、造血幹細胞移植のための感染対策ガイド(日本医学館)、院内感染対策ガイド(日本医学館)、HIVマニュアル(日本医学館)など